千日の鍛、万日の練 -4ページ目

千日の鍛、万日の練

2019年7月より居合の道に入った男。
ろくに運動経験もないにわか初心者が、
無双直伝英信流を学びながらどう成長し居合の道を歩むのか。
誤った知識や戯言も含めて成長を振り返るための一日記。

私が最後に道場で稽古したのは、2月23日のことである。

コロナの影響で稽古ができなくなってから、早くも5か月が経過しようとしている。

気づけばもう7月ということになったが、先日7月14日は私が入門してちょうど一年という日であった。

稽古ができぬまま二年目を迎えてしまった・・・。

 

転勤で遠方に行かれたT剣士が残してくださった動画を見ながらイメージトレーニング。

いくらかの膝立ち素振りと納刀の稽古。

自宅でできることはこれくらいしかない。

 

いくらなんでもこのままずるずると時間ばかり過ぎ去ってゆくのでは歯がゆい。

稽古を再開している他の道場に出稽古に行くというのも一つの手段だが・・・。

都内の感染者が連日100人200人という中でテレワークが継続している状況の中、都内をうろつくわけにもいかない。

かといって他県の道場となると、都内からの来訪客は歓迎しづらいだろう。

 

さて、いったいどうしたものか・・・。

 

この暗い気分を久々に明るくしてくれたのが将棋だ。

小中学生の頃に将棋が子供内で流行したことがあり、谷川先生の本などをねだって買ってもらっては勉強していたものだ。

スーパーファミコンか何かのゲームで、CPUとの対戦成績に応じて段位免状がもらえるというものが当時あり、必死に勉強して免状をもらったときの達成感は今でも覚えている。

 

その後高校生となり色々な遊びを覚えて将棋を勉強することもなくなってしまったが、ここ最近の将棋ブームでまた将棋を観るようになった。

 

藤井聡太棋聖。

史上最年少17歳でタイトル獲得。

更にもう一つ挑戦中の王位も7番勝負の2局まで終わって2勝という快進撃だ。

ただただ感心するばかりだ。

 

棋聖を獲得した対局終了後の記者会見。

将棋ソフト・AIがプロ棋士を凌ぐと結論づけられた現代。

ソフトの台頭についてしつこく質問した記者がいた。

 

これに対する17歳の応答が

「今の時代においても将棋界の盤上の物語は不変のものだと思いますし、その価値を自分自身伝えられたらいいなと」

ため息が出る。

 

将棋の世界においても、緊急事態宣言を受けて2か月間対局のない期間があった。

それもあって、最年少タイトル獲得は難しくなったとの見解も多かった中、藤井棋聖はその期間に自身の将棋を見つめなおした。

ほどなくして対局は再開されたが、タイトルが絡む対局が多く、当然対局相手はトップクラスの棋士ばかりである。

そんな中残した成績は見事なもので、遂に史上最年少タイトルという歴史に残る偉業を達成した。

 

たとえ苦しい状況でもできることがあり、マイナスに見える事柄をプラスに変える力が人にはあるのだと教えられた。

決して、今回の偉業は才能という言葉で片づけられるものではないと感じる。

 

私の居合道も、こんな状況でもできることを見つけ、くさることなく稽古再開の日を待ちたい。

 

日々、精進。