CITIZEN KANE 市民ケーン | 今日の紫煙は・・・・

今日の紫煙は・・・・

時々私が嗜むタバコについて、感想をまとめます。
できるだけ良いところを見つけてレポートしていきます。
それから喫煙はマナーを伴う大人の趣味です、未成年の方はご遠慮ください。

CITIZEN KANE 市民ケーン


タバコが良い小道具となっている映像作品を紹介します。


オーソン・ウェルズによってウィリアム・ランドルフ・ハーストという

人物をモデルに作成され、1941年に公開されました。

ハーストは新聞王と称され、父の代からの富豪で新聞社・ラジオ局の

オーナーでありながらも下院議員、ニューヨーク市長を務めるなど

政治の世界でも活動しました。
有名ではありますが、悪名も高い人物であったと言えるでしょう。


新聞発行部数を競う中でねつ造写真を使ってセンセーショナルな

報道を行い、米西戦争への後押しとなったり、愛人の踊り子のために

映画会社を設立し、さらに自社の新聞で宣伝を行うなど権力を

乱用します。
加えて異常な購買欲で美術品を買い漁ったり、気に入ったシャツを

在庫まで全て買い占める、さらには大宮殿を建て動物園を併設する

など浪費も重ねました。
結果、政治では市民からの賛同は得られず、豊富な資金も世界恐慌

の影響で所有していた新聞社や雑誌社・ラジオ局を手放します。




この財力が弱まったとはいえ権力を持つハーストをモデルに、この時

25歳という若さでオーソン・ウェルズは「新聞王ケーン」として映画に

します。
ちなみにオーソン・ウェルズはラジオ番組で「火星人襲来」を放送

しますが、この時迫真の演技・演出により視聴者に本物の事件と

誤解をされ、パニックを引き起こしたことがあります。


映画の構成は新聞王ケーンが「薔薇のつぼみ」という謎の言葉を

残して亡くなるシーンから始まり、その言葉の意味を探ろうと記者

たちが取材をしながらケーンの実像に迫っていきます。
ゆかりのある人物たちから彼について取材を行っていき、人物像が

徐々に明らかになっていくことで、ストーリーに引き込まれていきます。
またパンフォーカスという特徴的な撮影法、精巧なセットで映画の

奥行きを深めます。


ケーンという人間の人生を巧みに省略しつつ、彼を取り巻く人間から

の視点、独特の見せ方から栄枯盛衰や心の在り様を描いていきます。
ラストでは全てが繋がり、ケーンがどんな人物であったかで結ばれます。


小物も凝っていて、仕立てのしっかりとしたスーツやドレス、パイプや

両切りのシガレット、葉巻などこの時代らしい小道具の存在感が光ります。
特にタバコ類は登場人物のキャラクターに非常に合っていて、余裕の

雰囲気を漂わせるパイプや忙しい一服のシガレット、少し斜に構えた

葉巻の咥え方など絵になるシーンが随所に見られます。



映画自体は当時はモデルとされてしまったハーストによる妨害で、

興行的には振るいませんでした。
しかしながら批評家からの評価は高く、アメリカ映画ベスト100で

1位となるなど数々のランキングで上位となっています。
タバコの話はさておき、ぜひご覧になることをお勧めする映画です。
もっとも娯楽作品としてではなく、人生とは何かを考えさせる作品として
鑑賞しましょう。


それにしても1941年と第二次世界大戦の最中に(本格参戦前

ですが)、このようにスケールの大きな映画を作成できるとは

アメリカの国力に驚かされます。