ふみが井伏鱒二の短編集を読んだときの感想文です。
ふみは、ブクログという読書レビューサイトに登録しています。
｢テストはほぼ満点だった。一体に、ふみは日本語を読む事は苦手でもないが、文学を感じる能力は…｣
と書いてますが、
これは大嘘、実際のふみは知的障害の一歩手前で、テストで50点以上取ったことはほとんどありません。
太宰治は満39歳の誕生日に入水心中で亡くなりましたが、
師匠の井伏鱒二は、
19世紀末から平成まで生き長らえて、
95歳まで生きてます。
弟子の2.5倍近く生きるなんて反則です！！
◆山椒魚
魯迅「故郷」と同様、教科書的な読解の仕方につき、ネット上の資料に事欠かない。
ふみも、中3のときに教科書で読んだ記憶がある。このときの定期テストはほぼ満点だった。
一体に、ふみは日本語を読む事は苦手でもないが、文学を感じる能力は低いようだ。
太宰治が津軽で中学生やってるとき、まだ無名だった井伏鱒二の「山椒魚」をたまたま見つけ、
「天才を発見した。」と興奮し、太宰が井伏に師事するキッカケになったと聞くが、そうビックリするほどの傑作だというのが理解できない。
◆鯉
ただ漫然と読んでいた。自殺した親友・青木南八へのレクイエムとして読めると気付いたのは、ネットで解説なぞを検索しての事。
”私の白色の鯉が、まことにめざましくプールの水面近くを泳ぎまわっているのを私は発見したのである。私は足音を忍ばせて金網の中に入って行って、仔細に眺めようとして跳込台の上に登った。 私の鯉は、与えられただけのプールの広さを巧みにひろびろと扱いわけて、ここにあってはあたかも王者のごとく泳ぎまわっていたのである。のみならず私の鯉の後ろには、幾ひきもの鮒と幾十ぴきもの鮠と目高とが遅れまいとつき纒っていて、私の所有にかかる鯉をどんなに偉く見せたかもしれなかったのだ。
私はこのすばらしい光景に感動のあまり涙を流しながら、音のしないように注意して跳込台から降りて来た。”
･･････ふみは、ここもただ漫然と読み流していた。
◆屋根の上のサワン
孤独な男の、身勝手な偏愛を諷刺しているとの評があった。そういう風に読めるのかもしれないが、動物を飼う人々の中では、マシな内に属するのではないかとも思う。
◆丹下氏邸
日経新聞「文学周遊」2016.10.8に、本作を取り上げている記事を見つけた。これを備忘録とする。
日経新聞電子版の、二ヶ月間の「お試し期間」中なのですが、ﾁｮｯﾄ工夫すると、日経電子版を無料で読み続ける事できますよ。あまり吹聴することではありませんが。
◆集金旅行
紀行小説の佳作で、本作を追いかける旅をしてみるのも一興だと、どこかに書いてあったが、さてどんなものか。
◆「槌ツァ」と「九郎治ツァン」はけんかして私は用語について煩悶すること (ここまでタイトルです)
ずいぶん長い、奇妙なタイトル。
呼称に階層別があり、通信の秘密を破る不届きな郵便配達夫あり、
「槌ツァ」一家は大阪弁、
「九郎治ツァン」一家は東京弁で、
都会風の言葉を張り合う。強盗が東京弁だった絡みで、
「九郎治ツァン」一家は東京弁を止め、「槌ツァ」一家も大阪弁を止めてしまう。
それで、なんだかんだで「私」は煩悶する。その頃の「私」の唯一の悩み。理解されるように書くのが面倒くさい。言葉づかいをめぐる、ちょっとしたユーモア小説といったところかな。
◆へんろう宿
怪奇小説と捉えることもできるかな。捨て子が横行する時代があったということか。
◆遙拝隊長
頭の狂った隊長に終戦はない。隊長に事故のあった行軍の描写から兵隊さんの辛さが伝わってきて息が詰まるようだった。
イカレた隊長は滑稽でもあり哀れな存在、そんな隊長に付き合ってやる村の若い衆は「けっこうイイ奴らじゃないか。」と思ったりして。
通底するテーマは戦争の愚かしさ、かな。
太平洋戦争での日本兵の疲弊は、アメリカのベトナム戦争なりアフガン紛争後の「戦争後遺症」の比ではなかったと思うが、
帰還兵の方々には、
「高度経済成長を支えてくださった皆さん、ありがとう！！」とお礼を言いたい。
◆本日休診
好人物の老医師が、休診日にまで次から次へとくる急患に振り回されたりしながら、何となく患者たちと周辺の人物がユーモラスな話。
終戦直後の日本の貧しい庶民生活に「こんな時代に生まれなくて良かった」と思ったりして。
●「本日休診」をベースに、遙拝隊長が特別出演？してくる「本日休診」という映画があり、Amazon Primeで300円から。
観てみたい気もします。
隊長を演じるのは、若き日の三國連太郎とのことです。
追記 : 今朝、久々に朝イチ尿を飲みましたが、とても塩辛かったです。
300cc弱しか出ません。きっと知らん間に、深夜小便したと思われます。
夜更かししたので。
