閏年の2月29日。



男所帯の如月家に、待望の女の子が生まれてきた。

中でも新米パパの喜びようといったら

それはもう手ばなしの喜びようで、

ご近所には



「我が家に聖母マリア様が、お生まれになった!」などと

振れ回る早速の親バカぶりを発揮する始末。



元気な産声を上げ続ける赤ん坊を

やさしい眼差しで宥めながら

成分無調整のソレを与える母親の

慈愛あふれるその様は、とてもとても神々しく

幼子マリアの母に相応しいと思えるものでした。


幾多の時が流れ、そして・・・。

少女の物語は始まる。

∴ ∴ ∴ ∴ ∴ ∴ ∴ ∴ ∴ ∴ ∴ ∴



両親の愛情を一身に受けて育った

その女の子の名は、『如月弥生』(きさらぎやよい)

そう!そうなのだ!!


4年に一度本来の誕生日が巡って来る

弥生は、思い出したようにときどき

3月生まれになってしまうのだった。


でも彼女は「私には、2つの月の誕生日がある」と

結構前向きに考えているようで・・・。


「2月の家(如月家)に生まれた

3月生まれの女の子って

なんか相当カッコ良くない?」と

いまどきの平板なアクセントで

決まっていつも誇らしげに話すのでした。



男勝りな彼女を仲間達は、マドンナならぬ

「真旦那!(まだんな)」と呼ぶことで

どことなく小ばかにした含みをを

もたせてみる者も中にはいることを

弥生は、敏感に察知し心の中で舌を出していました。



(あっかんべーーーだ!!!)