平成29年7月23日 第16回 兼好∞ スタジオフォー
毎回整理券を配るのだが、1時半からだと知ったのが前夜。
ここでのいつも席も、2番目席もダメなので3番目席にしたが、これが大正解。
兼好さんを最初に聴いたのは、この会場での八朝さん主催の志ん生座で、その時の打上でこの会の主催さんが兼好さんに説明をしていた。
その時の兼好さんは、高座ではいつも通りにタップリ笑顔だったが、打上の時は暗い顔で聞いていて、打上は早めに帰っていった。
この会も、ここで始めた頃はそこそこのお客だったが、今は志の輔さんの会と同じ椅子の盛況。大人気。
時間たっぷりの打上で、兼好さんが席を順に廻ってくれて話ができるのも人気の由縁。
二番太鼓は兄弟弟子の生。
三遊亭けん玉
楽屋(モニタリングルームと言っていたが)に高座のマイクからお客の盛り上がっている声が良く聞こえて、師匠と落語をしなくても良いんじゃねと言っていた、と。
学校寄席で10人の子に落語を教えたが女の子一人しか聴いていなくて、そのおしゃまな女の子からの感想文の話から手紙無筆。
三遊亭兼好
奈々福先生とは、以前国本武春先生と一緒にやる予定の会の直前に武春先生が体調を壊して代演をされた時以来だ、と。
その時、格好良いのでいつか一緒にやりたいと思ったが念願かなった、男前で口調が良くて、と。
父親世代の上は浪曲を良く聞いて知っていて、下手な浪曲師より上手いおじさんがいっぱいいた。それくらい流行っていた、と。
群馬でのラジオの公開放送での玉川カルテットの凄さの話。
用意してあったネタをやり終わって、最後の「ああんがあんが」とやっているときに5、6分伸ばす指示が出た、と。
その瞬間にリーダーと3人が後ろに下がって、いつもはダラダラしている三味線の先生が前に出てヴァーっと弾きだしてその上手いの何の。
ベンチャーズやその時の流行りの曲も入れて、一言も喋っていないのにお客はワーワー盛り上がっている。
その間、後ろで3人が打合せをしていて、決まったらまた前に出て、三味線が後ろに下がってもう一ネタやって盛り上げた。
頭を下げたら時間ぴったりだった。格好良かった、と。
今聞いたら、全員が浪曲の下地があったという。本当に能力がある人は普段はそれを隠すんだ、と。
浪曲も講談も落語もそれぞれ良いところがあってそれを認め合うのが良いのだろうがと、富山の会社の社長の話から祇園祭。
玉川奈々福 (沢村豊子)
先に豊子さんが高座横の椅子に着き、後から三舟さんが三味線を持って付いて行く。
豊子さんがベンベンと弾き三舟さんが拍子木を打つ中を奈々福さんが高座に着く。
兼好さんとは6年ぶり、武春先生が倒れらた時以来だ、と。
普通、代演は上の者がやるところ随分下の私が汗ダラダラでやっているのに、タイヘンデスネと明るく言われたので印象深く覚えている、と。
生の浪曲を聞くのが初めての人はいるかと客席に聞く。ハアそうですか、アウエーかと思っていたら、と。
(ほとんどの人が聞いているのは、太福さんとの会をやっているからで、奈々福さんはそれを知らない。)
釈台、テーブル掛け、落語の間でやるときは立ってやらないで座ってもやると、基本の説明から曲師沢村豊子の紹介を。
玉川カルテットのリーダーは師匠の兄弟子でおじさん師匠になる、金も要らなきゃ女も要らぬ私ゃも少し背がほしいで一世を風靡した、と。
昭和20年台のピークの頃には浪曲師が3千人いたが今は100人いない、人気があったので衰退も早かった、と。
才能のある順に去っていって、喋ったり楽器ができる人はバラエティーにいき、浪曲しかできない人が残り、私もその中に身をおいて22年、と。
浪曲で笑おうと思って来ていないだろう、お涙頂戴だと思われているのがネック。一人ではできないのも、と。
曲師の先生との掛け合いのことや、掛け声の掛け方の話から仙台の鬼夫婦。
本当に奈々福さんのおしゃべりが終わる間際に豊子さんがベンベンと。
仲入り。ここまでで1時間20分。
仲入り太鼓も生。
いつもと逆サイドに座ったので出入りが楽。手洗いは1番。
玉川奈々福
今日初めて浪曲を聞く人が少ない理由は、弟弟子の玉川太福を聞いてくれている方が多いのだと思うが、あれは世界基準じゃありませんので、と。
暑いので水しぶきを浴びてもらうと、新作金魚夢幻。
三遊亭兼好
私のときには、待ってましたとかタップリの声が掛からないのはどうしたことなのか、と。
どうせ、もうたっぷりはやらないのでどうでも良いのだが、と。
でもあれですね、歌の方は難しいのであれですが曲師の方は習ってみたい、イヤ ハア ヨー とじゃまをして、と。
もう一席、夏なので幽霊とかお化けの話になるんでしょうが、と。
幽霊は昔は暗かったから出やすかったけど今はどこに行っても明るいので出るに出られないということで、タップリ笑わせて、お化け長屋。
打ち上げ
2列にテーブルを並べて椅子をギチギチに置いて準備。
先に降りてきた奈々福さんと豊子さんは並んで議長席に座ってもらう。
奈々福さんが、優しく三舟さんにそこら辺に座ったらと気遣うが、三舟さんは座らず飲み物や食べ物の配膳の手伝いに。
じゃんけんさんも忙しく動いている。上にいたのかと聞いたら、ずっと(CDの)出囃子をやっていたという。
一渡り注がれたところで、前乾杯。
兼好さんが降りてきて、いつもの議長席に座って、兼好さんの乾杯の一言で打ち上げ開始。
お酒にするかと声を掛けてもらったので、有り難く兼好さんと口開けを貰う。
そのあと、三舟さんとじゃんけんさんにお代わりを注いで貰いご機嫌。
奈々福さんと豊子さんのサインを兼好さんに見せたら、豊子さんのサインは価値がある。今日は機嫌が良いのだろう、と。
皆さんも、けん玉さんも含めた演者さんと親しく話をしてご機嫌。
恒例の席亭さんの音頭で三本締め。
奈々福さんの小気味良い浪花節を挟んで、大爆笑の祇園祭とお化け長屋。
60人くらいの贅沢な会で、実に楽しかった。