これからどうしよう…
子供たちの生活をどうやって守ろう…
押し寄せてくる不安と悲しみに押し潰されそうになりながら、それでもやはり、私は子供たちの生活を守らなくてはなりません。
そのためにも私は、ちゃんと食べて、ちゃんと眠らないと…
私が倒れるわけにはいきません。
けれど、食べようとしても何も飲み込めず、眠ろうとしても眠れず、頭の中には次々と、聞いたばかりの夫の不倫のことが浮かんできます。
相手は一人ではなく三人、その内の一人は家にまで入れた…
結婚生活のおよそ半分の期間、夫は不倫をしていた…
夫と出逢った頃からの出来事が走馬灯のように過ぎていき、ふたたび涙が溢れてきました。
家族や夫婦で過ごした楽しかった時間が、音を立てて崩れていくようでした。
それから明け方まで、うとうとしては頭にいろいろなことが浮かび涙が溢れ、またうとうとする、その繰り返しでした。
その後少しだけ眠り、朝になって母に、その日一日子供たちのことをお願いしました。
私の父と子供たちには、夫の実家の用事で私だけ自宅に戻ると伝えました。
その時の私の状態では、車の運転は避けたほうがいいと感じたので、母に反対されたこともあり、電車で戻ることにしました。
自宅には入りたくありませんでしたし、自宅では冷静に話が出来ないと思っていたので、夫には最寄り駅近くのカラオケボックスで話をしようと伝えました。
私のほうが早く着き、お店の前で待っていると、憔悴しきった夫がやってきました。
私は涙が出そうになりましたが、受付をして部屋に入るまで、夫も私も平静を装っていました。