軽「さてと、荷物の整理も一段落したし、車でスーパーに行ってみるか。」

 

高速で渋滞に巻き込まれた翌日、軽史は無事に新しいアパートの鍵を受け取り、車に載せていた荷物をアパートに入れ、宅配便の営業所でダンボール5箱を受け取ってアパートに持ち帰り、部屋の中で簡単な掃除と荷物の整理をしていたら、家電の配送業者が来て・・・。

 

引っ越しに関することが一段落し、お湯を沸かしてドリップコーヒーを淹れて、ふと時計を見たら15時を過ぎていた。

 

軽「炊飯器はあるけど、お米が無いもんな。作るのも面倒だから、今夜はスーパーの弁当にしよう。」

 

車を走らせること10分、距離にして約7km。

 

アパートから一番近いスーパーに到着した。

 

ここは地元資本のスーパーだが、同じ敷地内に全国展開しているドラッグストアと携帯電話の販売店、コインランドリーが併設されていた。

 

軽「普段の買い物はここで十分だな。でも営業時間がちょっと短いかな。アパートの最寄り駅に行く途中にコンビニがあったから、そこも上手く活用していこう。」

 

スーパー 9時〜20時

ドラッグストア 9時〜21時

携帯電話の販売店 10時〜19時

コインランドリー 6時〜23時

 

最寄り駅に行く途中のコンビニ 24時間営業

 

スーパーもドラッグストアも営業終了時間が書き直されていた。

 

書き直された跡を見る限り、ひと昔前までスーパーもドラッグストアも23時くらいまで営業していたと思われる。

 

コロナの影響で時短営業をしたら、コロナ後は人手不足で営業時間を元に戻せなくなってしまったのだろう。

 

軽「スーパーへの道の途中にも、人が住んでなさそうな雑草だらけの住宅が結構あったからな。この辺の人口も結構減ってきているんだろうな。」

 

今夜の晩ご飯を選定しにスーパーの惣菜コーナーへ向かう軽史。

 

軽「この街は味噌推しなのかな。味噌ダレをかけたまんじゅうに味噌を挟んだパン。それと焼きおにぎりが醤油じゃなくて味噌になってる。」

 

地元の人がよく食べそうな食品も並んでいるが、品揃え自体は東京都内のスーパーとあまり変わらない。

 

野菜を中心に、品物の値段はこちらの方が少し安いようだ。

 

軽「せっかくだから、今夜は味噌づくしにしてみよう。でも少ししょっぱそう・・・。」

 

このスーパーもキャッシュレス決済に対応しており、愛用のクレジットカードで支払いをした軽史。

 

同じ敷地内のドラッグストアの品揃えを確認し、帰りに途中のコンビニに寄ってみた。

 

軽「なになに?朝採れた野菜です、だって? コンビニなのに地元で採れた野菜も売ってるのか。それに価格の安いプライベートブランドも置いてある。食パンとか、モノによってはコンビニの方が安く買えるかもしれないな。」

 

ひと昔前までは、コンビニは定価だから高くて、安く買いたければスーパーやドラッグストアでまとめ買いをすることが常識だった。

 

しかし、東京から遠くなればなるほど、近くのスーパーへ行くにも車が必要になってくる。

 

5年ほど前から自動車の運転免許を返納する高齢者が増えた、とニュースで言っていたけれども、それをビジネスチャンスととらえて、スーパーなどで安く買い物を済ませていた高齢者の需要を取り込もうとしているのだろう。

 

アパートに戻り、買ってきた晩ご飯を食べる軽史。

 

軽「うん、ちょいしょっぱいけど、美味しいからいいか。」

 

なぜ味付けが少ししょっぱいのか。

 

3ヶ月後にその理由を軽史は知ることになる。