骨髄腫瘍再発の告知から三日目。
だんだんと旦那方の親戚たちに知れ渡っていく。
今日は従兄弟と話し込んでいた。
土曜日なので車に乗っていつものカフェに向かった。

私から「いろんな人に声かけてもらってありがたいけど、話すの辛くならない?」と、聞くと旦那は「話すことでストレスが軽くなってるよ」と、言う。

すこしほっとして私が「それならいいんだけど、ストレスになることもあると思うから私の家族の方にはまだ何も言ってないよ。」と、伝えると
すこしして旦那が「そっちにはまだ黙っていて欲しい。」と、一言。

やはり自分に起きたことを咀嚼する前に誰かに告げなくてはならないのは躊躇われるのだと思う。
誰かに告げることでより現実味が湧いてしまうから。

カフェの外にあるベンチに腰掛けると、気温の割に心地いい風が吹いていて気持ちよかった。
緑が揺れ、犬たちが戯れているのを眺める。
前回の手術以降、この穏やかな時間を旦那と過ごせることがとても幸せでした。今日は2人複雑な想いでここに座っている。

すると、旦那が笑いながら「告知を受けた時に体が震えてしまい、まるで首を切られる前の囚人のようだった」と言った。私は「貧乏ゆすりを始めたのかと思って足を見ても動いてないし震えてると思って抱き寄せるしかなかった。」と答え、2人で苦笑いをした。

旦那の腫瘍は胸椎から頸椎に移動し始めている。
それがどう言うことか私は伝えないでいたが、今は調べたらなんでもわかる。
ポツリポツリと話していくうちに、頭が整理されて本人もいくらか理解しているようだった。
旦那がこの一年どれだけ頑張ってきたのか知っている。今どれほど辛いことだろう。私は彼の心をどれだけ支えられるのだろうか。これから一ヶ月で彼の心が折れてしまわないかが心配だ。