そう言われても…

今日、現場で作業中に

どうしても会社に戻らないといけない用事が有ってね

だから、みんなには、その旨を伝えて会社に戻った時…

会長が、俺に声を掛けて来たんだよ

なにかと思ったら…


今度の連休

なんの予定も無かったら、遣って欲しいことがあると言うんだ

で…

遣って欲しいこととは

俺が、去年の夏にヤラカシタ会社の２階の片付け

あの時以来、

２階だけは壁と屋根だけを修繕して完全封鎖されて

誰も出入り出来ない状態になったんやけど

今回、会長が２階に部屋を作るらしく

その為には、燃えて灰となったり炭になった柱や壁等が

そのまんまの状態やから

片付けて欲しいと言うんだよ


俺…

あの時以来、初めて２階を見た


唖然として( ; ゜Д゜)言葉が出なくて、胸が痛んだ

思わず会長に

『これ見たら胸が痛いっす』

と言ってしまったよ

そしたらね…

『もう忘れろ終わったことなんだから忘れないと駄目だぞ』

と、会長が言ってくれたんだよね

そう言われても…

死ぬ思いをしたんやから忘れられる訳がないよ

おまけに、真っ黒な２階を見た時

俺ホンマに危なかったんだ

と、しみじみと痛感したからね


それに…

普通なら、俺が片付けるのなんて当たり前やん

なのに

会長は、本当に申し訳なさそうにお願いしてくるし

出勤扱いになるし

カネやんとトクさんにも、用事が無かったら、お願いして欲しいと言うんだよね


なんかさぁ

いくら終わったことと言えども

逆に、こっちが申し訳ないくらいだよ


灯油だって、

『買わずに会社から持っていけ

その代わり、みんなにバレるなよ』

とも言ってくれてる会長

そのことは、社長と会長はツーカーの仲やから、社長も知ってたことなんやけど


あの夏の時や今回に限らず

どうして会長や社長は俺にこんなにも良くしてくれんやろう


『それは、ショウさんが頑張って来た結果だし

必要とされてる証拠だよ』

と、言ってくれる人も中にはるけど…

それも

そう言われても

俺は自分の遣るべきことだけを遣ってるだけで

当たり前のことしかして無いんだよね


まっ遣るべきことが沢山有りすぎることは確かなんやけど


周りの友達に比べたら…

俺なんか頑張ってるうちに入らないな