彼が生きていたら
今は44歳。
13年前の7月19日…
この世を彼は去った。
当時、俺が19歳で彼が16歳。
髪の毛を1センチ切るのが嫌で、高校を1年休学してた。
彼部屋に入ると、タバコと酒の臭いばかりでは無く、シンナーの臭いもしてた。
俺が彼と出会うキッカケは長くなるので割愛させていただくが、
彼は、とっても優しい子でね。
頭も良くてイケ面だったんだよね。
ていうか、彼のお姉さんは俺よりひとつ年下だけど
スタイルが良くて可愛いかったし、次男も彼に負けず劣らずのイケ面で頭が良かったよ。
3人とも、よくぞこの両親から格好よく美人に生まれたな…
と思ったけど、ご両親の昔の学歴と写真を見たら
無言で納得してしまったよ。
あの頃、彼とは、中途半端な付き合いはできないと思ったから
警察官をクビになる覚悟で、毎日のように寝食を共にして付き合ってたよ。
けどね…
夜勤明けの時は、彼の部屋がシンナー臭くて寝れなくてね
良く、俺よりひとつ年下の娘さんのベッドを借りて寝てたものだよ。(この娘さんとのことは気が向いたら、その時に書きます)
まだ19歳の俺は経験も知識も無かったけど、高校時代の経験が役に立ったことは間違い無かったよ。
それでも、本当に大変だったな…
人事異動で、機動隊に言った時は、あまり彼と会えなくて
たまに連絡がくるくらいだったけど、
機動隊に異動する頃は
彼も頑張って定時制に通ってたから、あまり心配もして無かったよ。
警察官を辞めてリフォーム時代に新築した時…
何年振りかに、彼に我が家で有ったよ。
遅くなったけど、新築祝いを兼ねて、話しに来たと言う彼と彼のお母さん。
定時制を5年かけて卒業し
6年かけて大学を卒業した彼は、少したくましく思えた。
だけど…
話が本題に入ろうとすると、なんかしっくりこなくてね。
いろいろと聞いて見たら、
俺の会社で仕事をしたいとのことなんだけど…
彼の動機がイマイチ分からないし見えなかったよ。
当時は、管理職だったから採用の権限は俺に有ったけど…
なぜか納得できなくてね。
せっかく家まで足を運んでくれたけど、
『もう一度、自分の気持ちを整理して連絡しなよ。その時まで保留にするから』
と、彼にも、彼のお母さんにも伝えてよ。
帰り際、玄関ごしで
『お兄さん。後で相談あるから』
『うん。分かった』
このやり取りが彼と最後になるとは思いも寄らなかった。
彼からの連絡は無く、
2週間後…
彼のお姉さんから泣きながら彼がこの世をさったことを教えられた。
死因は…
睡眠薬の過剰な服用らしい。
『なぜ…!?なぜ!?』
その言葉しか出て来なかった。
葬儀屋さんには申し訳無かったが、葬儀屋さんをある程度立てながら、
通夜と告別式は、
俺と彼の友達数名で仕切らせて貰った。
全てが滞りなく終わったときに、彼の家族に俺たちは招かれた。
俺は覚悟してたよ。
ご両親に
『2日間ありがとう。あいつの供養だから、みんな食べてゆっくりして行ってよ』
と言われた時は、さすがに
『仕事が有るので帰ります』
とは、誰も言えなかったよ。
いろんな昔話しをしてる時に
『お兄さん!なんで奴に電話をしてくれなかったの?』
が、口火になり
『そうだよ。電話が来ない。電話が来ない。って毎日言ったたんだから』
と言うお母さん。
お父さんのお酒が進むたびに、
『お兄さんが電話してくれたら、あいつはこんなふうにならなかった』
と、責め立てられたけど…
事実だから返す言葉も無く、言い訳もしなかった。
周りの彼の友達はご両親を宥めてくれたけど…
宥めるたびに、ご両親の言葉はキツかった。
そんなとき…
見兼ねて、俺よりひとつ年下の彼のお姉さんが
『お兄さんを責めたって、〇〇は戻らないんだよ!
それに、お兄さんを責めるのはおかしいよ!
こんなことを〇〇が聞いてたら、お兄さんも〇〇も可哀想だよ。
親としてズルいよ!』
って、中に入ってくれたんだよね。
少しの間…、し~んと静かになった時、
彼の友達が
『俺、あいつと朝まで飲んでたけど、普通に元気なような気がした。10時間前まで一緒だったのに何も気が付かなかった。』
と言いだすと、次々と前日の彼や数日前の彼と会ってた話が出てきたよ。
身を乗り出しながら、友達の話を聞いてたけど…
矛先は、
俺だったよ。
それでも、お父さんが寝付くまで最後まで一人で傍に居たよ。
朝方、帰る時にお姉さんから
『ごめんね。本当に嫌な想いをさせてごめんね。』
と、謝ってくれたけど、
その気持ちだけは嬉しかったよ。
たまにね…、
10年以上経っても、いまだに思い出してしまう時があるんだ。
意味もなくね。
あの時以来から、
相談があると言われたら、どんなに時間を割いてでも、
夜中だろうとなんだろうと
俺は今だに相談に乗ってるよ。
今は44歳。
13年前の7月19日…
この世を彼は去った。
当時、俺が19歳で彼が16歳。
髪の毛を1センチ切るのが嫌で、高校を1年休学してた。
彼部屋に入ると、タバコと酒の臭いばかりでは無く、シンナーの臭いもしてた。
俺が彼と出会うキッカケは長くなるので割愛させていただくが、
彼は、とっても優しい子でね。
頭も良くてイケ面だったんだよね。
ていうか、彼のお姉さんは俺よりひとつ年下だけど
スタイルが良くて可愛いかったし、次男も彼に負けず劣らずのイケ面で頭が良かったよ。
3人とも、よくぞこの両親から格好よく美人に生まれたな…
と思ったけど、ご両親の昔の学歴と写真を見たら
無言で納得してしまったよ。
あの頃、彼とは、中途半端な付き合いはできないと思ったから
警察官をクビになる覚悟で、毎日のように寝食を共にして付き合ってたよ。
けどね…
夜勤明けの時は、彼の部屋がシンナー臭くて寝れなくてね
良く、俺よりひとつ年下の娘さんのベッドを借りて寝てたものだよ。(この娘さんとのことは気が向いたら、その時に書きます)
まだ19歳の俺は経験も知識も無かったけど、高校時代の経験が役に立ったことは間違い無かったよ。
それでも、本当に大変だったな…
人事異動で、機動隊に言った時は、あまり彼と会えなくて
たまに連絡がくるくらいだったけど、
機動隊に異動する頃は
彼も頑張って定時制に通ってたから、あまり心配もして無かったよ。
警察官を辞めてリフォーム時代に新築した時…
何年振りかに、彼に我が家で有ったよ。
遅くなったけど、新築祝いを兼ねて、話しに来たと言う彼と彼のお母さん。
定時制を5年かけて卒業し
6年かけて大学を卒業した彼は、少したくましく思えた。
だけど…
話が本題に入ろうとすると、なんかしっくりこなくてね。
いろいろと聞いて見たら、
俺の会社で仕事をしたいとのことなんだけど…
彼の動機がイマイチ分からないし見えなかったよ。
当時は、管理職だったから採用の権限は俺に有ったけど…
なぜか納得できなくてね。
せっかく家まで足を運んでくれたけど、
『もう一度、自分の気持ちを整理して連絡しなよ。その時まで保留にするから』
と、彼にも、彼のお母さんにも伝えてよ。
帰り際、玄関ごしで
『お兄さん。後で相談あるから』
『うん。分かった』
このやり取りが彼と最後になるとは思いも寄らなかった。
彼からの連絡は無く、
2週間後…
彼のお姉さんから泣きながら彼がこの世をさったことを教えられた。
死因は…
睡眠薬の過剰な服用らしい。
『なぜ…!?なぜ!?』
その言葉しか出て来なかった。
葬儀屋さんには申し訳無かったが、葬儀屋さんをある程度立てながら、
通夜と告別式は、
俺と彼の友達数名で仕切らせて貰った。
全てが滞りなく終わったときに、彼の家族に俺たちは招かれた。
俺は覚悟してたよ。
ご両親に
『2日間ありがとう。あいつの供養だから、みんな食べてゆっくりして行ってよ』
と言われた時は、さすがに
『仕事が有るので帰ります』
とは、誰も言えなかったよ。
いろんな昔話しをしてる時に
『お兄さん!なんで奴に電話をしてくれなかったの?』
が、口火になり
『そうだよ。電話が来ない。電話が来ない。って毎日言ったたんだから』
と言うお母さん。
お父さんのお酒が進むたびに、
『お兄さんが電話してくれたら、あいつはこんなふうにならなかった』
と、責め立てられたけど…
事実だから返す言葉も無く、言い訳もしなかった。
周りの彼の友達はご両親を宥めてくれたけど…
宥めるたびに、ご両親の言葉はキツかった。
そんなとき…
見兼ねて、俺よりひとつ年下の彼のお姉さんが
『お兄さんを責めたって、〇〇は戻らないんだよ!
それに、お兄さんを責めるのはおかしいよ!
こんなことを〇〇が聞いてたら、お兄さんも〇〇も可哀想だよ。
親としてズルいよ!』
って、中に入ってくれたんだよね。
少しの間…、し~んと静かになった時、
彼の友達が
『俺、あいつと朝まで飲んでたけど、普通に元気なような気がした。10時間前まで一緒だったのに何も気が付かなかった。』
と言いだすと、次々と前日の彼や数日前の彼と会ってた話が出てきたよ。
身を乗り出しながら、友達の話を聞いてたけど…
矛先は、
俺だったよ。
それでも、お父さんが寝付くまで最後まで一人で傍に居たよ。
朝方、帰る時にお姉さんから
『ごめんね。本当に嫌な想いをさせてごめんね。』
と、謝ってくれたけど、
その気持ちだけは嬉しかったよ。
たまにね…、
10年以上経っても、いまだに思い出してしまう時があるんだ。
意味もなくね。
あの時以来から、
相談があると言われたら、どんなに時間を割いてでも、
夜中だろうとなんだろうと
俺は今だに相談に乗ってるよ。