vol.16 「 イタリア流“エコ”ライフ（パート３） 」

イタリア人男性は

どんなに疲れて帰っても

どんなにお酒を飲んで帰っても

「寝る前にその日に履いた靴を必ず磨く」

という話を聞いたことがあるけれど

ここにも、おしゃれに対する情熱と

モノを大切に使うエコ精神がある

流行のものを使い捨てする

“ディスポーザブル・シック”的なファッションは

イタリアでは生まれも育ちもしないのには

そんなイタリア人の生まれた時から育まれた

“エコ”精神の強さがある

また、ある貴族のファミリーに育ったともだちの話

彼は子供の時から、靴下に穴が開いても捨てず

お母さんが穴を裁縫で接いだものを

本当に古くなる（接げなくなる）まで履いていると言う

もちろん、貴族なのだからお金に困っているわけではない

使えるものを努力しながらも少しでも長く使うことは

決して“はしたないこと”ではないという感覚を初めて学んだ

むしろ誇りにさえ思っている精神を感じ、とても印象的だった

イタリア人の「物を長く大切に使う」マインドは

代々手作りで物を作ってきた苦労を知るイタリア人ならではの

職人に対する敬意の込められたエレガントな行為だ

たくさんの文明の利器に恵まれ

なんでも便利になった現在の生活の中で

便利であることと“エコ”は必ずしも両立しないかもしれない

けれど、 生活に支障のない中で

イタリア流“エコ”を取り入れることはできそうな気がする。