寝たきりアパート(高齢者専用賃貸住宅)について | アイ・オー・ソリューション STAFF BLOG

寝たきりアパート(高齢者専用賃貸住宅)について

こんにちは。AOです。


先日、中日新聞に寝たきりアパート(高齢者賃貸住宅)で訪問看護の不正請求の疑いについて記載されておりました。


内容は、


「口から食事をとれない「経管栄養」の要介護者だけを対象に入居者を募り、アパート形式で自治体の監督を免れる自称「寝たきり専用賃貸住宅」が愛知、岐阜県内で急増している。入居者1人の費用は月約100万円。その8割以上が介護保険と医療保険で賄われ、訪問看護の医療保険が不正請求されている疑いのあることが、本紙の調べで分かった。関係自治体も状況を把握し、今年に入って複数回、協議の場を持つなど、調査を始めた。

 「賃貸住宅」は、名古屋市内の医療系コンサルタント会社が運営。ホームページなどによると5月現在、愛知、岐阜両県の計12カ所に高齢者ら約200人が入っているとみられる。この2年だけで、新たに7カ所建設された。

 岐阜県内の「賃貸住宅」に入居していたお年寄りの利用明細などによると、1カ月の費用は99万2000円で、うち15万円が本人負担、残りの84万2000円が公費(介護保険34万円、医療保険50万2000円)だった。

 関係する県市町と後期高齢者医療広域連合に本紙が情報公開請求して入手した資料では、岐阜県多治見市と同県土岐市の3施設に入居している約40人について、同様の請求が確認できた。

 入居者には1日3回の訪問看護が毎日行われ、介護保険の限度額(自己負担を含め月額約36万円)をいずれも24万円超過。本来なら自己負担となるが「賃貸住宅」に訪問診療する医師が特別指示書を定期的に発行するという「想定外の手法」(厚生労働省)で、超過分を医療保険で請求していた。

 特別指示書は「容体の急変など緊急、例外的なケース」(同省)だけに認められるが、看護記録などから容体の急変はなかった。医師はどの入居者にも毎月機械的に指示書を発行していた。

 厚労省は、有料老人ホームなど施設に訪問診療する医師の報酬額は、戸別の訪問診療の4分の1以下にするよう指導しているが、「賃貸住宅=アパート」であることを理由に戸別扱いで報酬を請求していた。

 取材に応じた医師の1人は「入居者はいずれも寝たきりで容体が急変するおそれがある。行政から指導があれば改める」と話し、恒常的な特別指示書の発行を認めた。

 コンサルタント会社の責任者は「入居者は病院を追い出された人たちで、家族も同意しクレームもない。(自己負担額を抑えるのは)経営ノウハウだ」と主張している。

 早い時期に施設ができた多治見市と土岐市は、県や厚労省東海北陸厚生局と協議機関を立ち上げ、対策を急いでいる。」


というものです。


実際、介護保険施設において、寝たきりの方で経管栄養の方の介護は、介護報酬の妥当性や人的な問題から容易ではないし、受け入れを拒否されることも多くあるのが事実であると思います。そういった意味では世の中のお役に立っているサービスと言えるかもしれません。


しかしながら、世の中のお役に立っているサービスと言われるためには、「人道的」にも「法的」にも問題がないことが前提条件だと思います。そこに落ち度がなければ、世の中に受け入れられるサービスなのかもしれません。


いずれにしても、これから内容が解明されていくとは思いますが、以前もお話しましたが「ヒト」を「モノ」と思った瞬間に医療・介護のビジネスを行ってはいけないなぁ。と改めて実感しました。


また逆に、今回の件が、法的に問題があったのか?法令順守はどうだったのか?行政の対応に注目したいと考えておりますし、今後の法整備の行方にも注目したいと考えております。