料理の所作について、きちんと習ったことはないけれど、あしらい方一つで味が全然変わると実感することは多い。


例えば、新たまねぎなら、味が優しいからサラダでも水にさらさなくていい。小さな新じゃがは皮つきのままゆでて、包丁を使わず、手で割いて揚げると断面がカリカリして美味しい。サラダ用の葉っぱは、根っこごと水につけるとシャキシャキ感がより良くなる。バジルなどのハーブ類やキノコ類は、香りがとんでしまうので極力水につけない。湿ったタオルで拭くだけにする。野菜の特性や料理に合わせた各種切り方。魚の皮目や肉の表面に粗塩して焼くとカリっとジューシーになる・・・等々。


かしこまって勉強をしなくても、料理をしていれば自然に自分なりのあしらい方が見つかるし、そういうものが積み重なるとどんどん料理が楽しくなる。


でも、急いでいる時はあしらい方なんてそっちのけで、横着もする。適当にこなして失敗もする。友人が「肉じゃがなのにジャガイモを入れるのを忘れた」と笑っていたけれど、僕はそういう失敗談がとても好き。自分自身の適当さを正当化するつもりはありませんが(笑)、料理って時にそういう鷹揚さがある位でちょうどいい。料理は、それぞれの地域や家庭でレシピも違う。味も違う。決まりごとなんかないんだから、どんどん作って自分なりのスタンスを見つければいいと思います。


僭越ながら紹介しているレシピもあくまで僕自身の好きな味なので、どんどんアレンジして使って頂ければ幸いです。