Day by Day|創作の観察記録

Day by Day|創作の観察記録

考えたり作ったりする毎日のノート。
※デザイナーからライターへ移行していた頃の2015年の記録

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「ビジネスに強みは必要ない」。
マーケターの楠瀬さんが、ある講演でそう言っていました。


「強みがあるに越したことはないのでは?」と誰もが思うところですが、実例を交えて語られると、なるほどと納得させられます。
大胆な意見を堂々と言い切れるところにこそ、独自の視点があると感じました。


楠瀬さんの魅力は、この“独自の視点”そのものです。
強みが明確に打ち出しにくい中小企業に寄り添い、悩みに対する解決策を提示してくれる存在でもあります。

 

 



「強みがなくても成立する」ケースはある

たとえば、

  • 価格が妥当である

  • 近くて便利

  • 顔なじみで信頼関係がある

こうした“日常の理由”だけでビジネスは選ばれることがあります。


楠瀬さんが紹介していた事例は、飲食店の半額キャンペーン。


有名な言葉で、

「断るのが馬鹿らしいくらいのオファーにする」

という原則がありますが、まさにその通りで、魅力的な価格は強力な集客手段になります。
「お得だから行く」という価値観は、特別な心理ではなく普遍的なものだからです。

 



それでも「強み」があるメリットは大きい

では、強みがあると何が良いのでしょうか。


私の視点では、
強みがあると広告やPRが圧倒的にやりやすくなる
という点を挙げたいです。


また、ビジネスにおける“立ち位置(ポジション)”が明確にもなります。

  • トップランナーなのか

  • オンリーワンなのか

  • 地域密着型なのか

ポジションとは、自分の「場所」を人に伝えること。
すなわち、企業の思想や姿勢そのものです。


戦略の軸がなければ、打ち出すメッセージがぶれてしまいます。

 



ブランドは「経営戦略」の延長にある

PRやデザインは経営と結びついていると言われますが、
そもそもブランドとは、経営戦略と切り離せないものです。

  • 何をつくりたいのか

  • どうすれば良い商品になるのか

  • なぜお客様が買ってくれるのか

これらを考えることが、ブランドづくりの原点です。


つまり、

デザインや広告だけではブランドはつくれない

ということです。

 



―よくある失敗例―

(良い流れ)


経営戦略

 ↓

強みの明確化

 ↓

PR・広告のコンセプトが定まる

 ↓

発注が具体的になる

 ↓

提案もクリアになる

 ↓

マーケティング戦略が成立する


つまり、PRが戦略として機能している状態とは、経営戦略がしっかりしているということです。





(悪い流れ)


ゴールが曖昧なまま制作に入り、



「なんとなく」感性に頼った広告になる


という状態。


PR担当者だけでゴールを決めることはできません。
経営側が“目指す方向”を示す必要があります。

 



「何を目指すのか」を考える

経営者なら誰しも、

  • どんな会社にしたいのか

  • なぜこの事業をしているのか

ということを、きっと考えているはずです。


もし、次の段階を目指したいと思うのであれば、

自社はどこを目指すべきか

を、デザイナーやPR担当と一緒に言語化していくことが大切だと思います。

ときには、自分だけでは見えない視点があるものです。

 



終わりに

ビジネスの目的は、ただ売上を伸ばすことだけではありません。


自分たちの価値を社会に届け、必要な人に届くように工夫し、成果を共有していくこと。


その過程で、
「何を目指すのか」
という問いを一緒に考えられるパートナーがいれば、きっとビジネスは強くなります。

 



P.S.

デザインとは、人の潜在意識に働きかけるマーケティングそのものでもあります。