最近、千葉市では長年営業してきたスーパーがどんどん閉店しています。
今回紹介するのは4店舗で、すべて閉店近く(商品がスカスカになる程度)に訪問しました。
・1軒目2軒目は千葉薬品が展開するヤックスグループの道場店とスーパー型の白旗店です。
・3軒目4軒目はスーパーマーケットチェーンのカワグチグループの東千葉店と飴安花園店です。
※飴安花園店以外は初めての訪問です。
この記事は前半に各店舗は建物の古さや立地、周囲の競合などを見てなぜ無くなったか、後半は実際に訪問したので感想、店舗の造りなどを書いていきます。
まずは閉店について考えたことです。
ヤックスは千葉県中心に薬局チェーンを展開しています。他には釣り具アウトドア販売を行う「アタック5」というローカルチェーンも経営してます。房総の方はもちろん銚子や旭市の方まで、千葉県の隅から隅まで出店しています。
店舗経営以外にもデイサービスを行うなど、業種を生かし福祉面にも力を入れている会社です。
ドラッグストア型は千葉県以外の店舗も含め合計100店舗以上出店しています。
ですが、今回閉店した店舗はどちらも「スーパーマーケット型」の珍しい店舗で、昔から少数です。90年からこの業種の店舗は増えず、2019年に作草部店も閉業、再出店はしたもののドラッグストア型に転換され残り3店舗となり、2店舗の閉店でスーパーマーケット型店舗は四街道店1店舗のみとなってしまいました。作草部店は印象に残っている外観でした。
道場店、白旗店が今回千葉市で近い時期に閉店したのは、建物の老朽化や周囲の高齢化等でお客さんが少なくなったのが重なって閉店したのだと考えています。また最近競合の安いドラッグストアが増えてきているので売り上げが落ちていることも原因として考えられます。公式ページを見ると3,4か月に1店舗のペースで新規出店しているので、店舗数に影響はありません。
続いてカワグチグループですが、本社は東千葉店の跡地に移転しています。(少し前までは問屋町という千葉みなと駅よりもさらに海のほうにありました。)展開地域が狭く、鉄工業団地がある犢橋町や八千代市近辺に店舗が多いです。
最近は薬局や大型店などが増えて赤字なのか2022年に入り、稲毛海岸の方にあるグループ店である アームス高洲店、アームス稲浜店が閉店、今回でさらに2店舗が閉店したことにより結構店舗が減ってしまいました。
カワグチ東千葉店は、地域密着型の店舗ですが、最近のスーパーは広い駐車場で商品も充実して店内もきれいなので、それらに負けたことで集客が落ちていると思います。
特に、近くには店舗が広く、安いオーケー東千葉店が出店してるので、かなり苦しいはずです。
住宅街に面していたので、今まで利用されていた方は不便になるでしょう。
飴安商店は歴史が長く戦前にも存在していたときいています。
若い買い物客少ないが、地域に愛されてシンボルのような店でした。そんな飴安は採算が取れなくなったことに加え、建物が古くなり、再出店することもできず、閉業するしかないとのことです。
再出店については、閉店する少し前から存続を求める会が動いたみたいですが、「第一種低層住宅専用地域」で、新たにスーパーは建てづらい模様です。
閉店は言葉に表せないほど衝撃でした・・・
各店舗の閉店の考察が終わったので実際訪問して感じたことを書いていきます。
まずはヤックス道場店です。2022年5月31日閉店で1973年8月に開店してから50年近くの歴史に幕を閉じました。
この店舗についてまさかのことが判明しました。ヤックスグループ公式サイト沿革に「お客様の買い物行動の多様化に対応し、店舗の長時間営業を実施。スーパーマーケット道場店を日本初の24時間営業とする」、と記載があるのです!それを踏み出せるほど人気だったとは!
地域の環境と共に歴史に残る凄いことを始めた店舗が閉店するなんて・・・とてもショックです。
写真1枚目は、建物全景です。
70年代前半の建物では近代的なデザインです。上部はガラスが多く入り口付近はオーニングテントで覆われています。見ての通りかなりボロボロな建物です。跡地はカネカ水産が出店することが決まっています。このチェーンはマリンピア(稲毛海岸のイオン)の地下にも出店していていつも新鮮でとてもおいしい魚が売っていてお世話になっているので、オープンしたら行ってみます!
駐車場は1階に少しと2階にそこそこあります。また2階駐車場にはびっくりしました。なんとスロープがものすごく狭いので、小さい信号があるのです。これは両方向から同時に通れないためあります。これはとても印象的でした。
古そうなトイレもありました。階段は結構急で、今のスーパーにはないような造りでした。
入口や階段近くの写真です。
店内は天井が広く店舗を回るように大きな通路があります。日用品や調味料は店内の中側の棚にあります。階段付近には花が売っていました。毎週土曜の朝には朝市を開催していたようでしたが閉店セールがやっているため開催終了していました。
周囲の環境の変化で閉店してしまうのは仕方がないことですがやはり残念です。跡地は閉店後すぐに解体の準備が始まり、更地です。
続いてはヤックス白旗店です。店舗は坂になっているところにあり、上の階は薬局で中央が六角形のようなとても面白い形になっています。下の階はスーパーマーケットになっています。地下の構造は道場店と似ています。どちらの階からも入店でき、中央に広い階段のスペースがあるのが特徴的です。
こちらは、ヤックススーパーマーケット型の1号店で、競合が増える中千葉市最後まで生き残りました。
そんなに古さは感じられませんが道場店より長く57年間営業しました。
店舗1階駐車場からの入口です。右にあるシャッターの部分は昔何に使われていたか気になりました。ここの造りは少し古さを感じます。
1階の薬局部分です。壁はコンクリートブロックを塗装したもので、換気扇が多くあります。
店舗中央は売り場ではなく、階段と吹き抜けになっていてとても開けています。
一等地とかでもないのにすごく凝ったデザインです。
階段からは、ヤックスの文字や丸い電球等が確認できます。
1階は2階より奥まっていて普通のスーパーのような感じです。閉店前で商品が安くなっていましたがお客さんは少ないです。昔ながらの店内で、レジ付近は特に昭和を感じられました。
昔はもっと人がいたのか分かりませんが、付近に新しくドラッグストアが出店しているので急に悪い影響が出たのかもしれません。地域に根差した老舗店なので存続してほしかったです。
3つ目はカワグチ東千葉店です。総武線東千葉駅から線路に沿い北西に進んだ住宅地にあります。
線路の反対側には大きな道路があり、ブックオフ、ドン・キホーテ、オーケーストアや最近はコジマ電機がパチンコ店になったりなどの大きな店舗が立ち並び、飲食店も充実しています。
一方カワグチ側は家が密集する住宅街です。モノレール・JR駅や大通り周辺と比べ静かです。
この店舗の存在は今年になるまでは知りませんでした。飴安花園店と同日に閉店すると情報があったので興味があり行ってみました。店内の雰囲気は、僕はこの店舗以外のカワグチに何軒か訪問しているので、他のカワグチの店舗と装飾等が似ていると感じました。
また他のカワグチ同様、店内でCGC関連の歌などが流れています。
外観は、こんな感じです。
ちなみに裏側には
車は多く停まっていたのですが、店内にいる人は少なく残念な感じでした。たくさん食料品を買う人は、オーケーストアに行っているでしょう。
4つ目は飴安花園店です。
建物の建設年月は不明で、外装は緑基調、これまで紹介した3軒よりもさらに古いとおもいます。
立地は公園に隣接していて、住宅地にあるので歩いてくる人がほとんとでしょう。
温かくにぎわっていた店だったのに、なぜ不採算だったのかとても不思議でした。
何年か前の写真です。
1枚目のは黄色いコーンが置いてあるのが気になって撮ったものだと思います。
3枚目は乳製品の冷蔵庫の上に長い間放置されていたラジカセで、4枚目は値札の形を使い買い物客以外停めてはいけないという注意書きです
3枚目の写真のようなものをこの記事では「改造値札」と呼びますね。
次は閉店五日前1月20日の画像の一部です。
商品も少なく、夜なのでほとんど人がいませんでした。1枚目は左が肉売り場で右当たりの棚は調味料が多く売っていました。
2枚目の写真の奥はパンが売っていました。決まった時間帯では食パンが税抜き100円以下で売っていることもありました。
3枚目は惣菜コーナーからレジ付近を見た画像です。床の改造値札は「防犯カメラ作動中 危ないので買い物かごを 置かないで」と書いてあります。
改造値札たちの写真は、無くなってしまった今では貴重かもしれません
そして1月25日の夜の閉業間際に訪問しました。まさに閉業直前ということもあり、冷蔵庫は全て動いていませんでした。成果物、乳製品パン等の場所にも全て商品が無くなっていました。
鏡餅など数箱は仕入れたが売れ残ってしまったようなものだけがレジ付近に残されていました。
店員さんや店長さんはレジ付近に固まり作業していました。
次は入口付近の写真です。マットは残っていました。混んでいる時は警備員さんがカゴを1つずつ渡していることがありました。閉店最終日のこの日ここから見える青果鮮魚コーナーは、商品は全滅したうえ、真ん中の棚まで撤去されています。
装飾だけ残したまま閉店を迎えようとしている悲しげな一枚です
魚売り場も…… 商品が無くなると値札などの装飾が気になります。
使われなくなった棚には「お世話になりました ありがとうございました」という改造値札が・・・・
本当に閉店するんだと感じます。
僕が好きなタイプの古い冷蔵ケースもありました。どちらももう使われずに空っぽ。故障している明治のほうは閉店後も内装はしばらく残されていたため店内にそのまま置いてあるのが見えました。
最後の飴安全景です。内装は色が多く使われて、まだまだ営業できそうに見えます。
でも老朽化が目立ち、外装もボロボロです。またスーパーが復活するのを待っています。
飴安は、閉店後3日以内に一部の棚、レジを撤去したあと、多くの物は放置されていました。なぜか約4か月以上は放置されていましたが、7月に入り建物の解体工事が始まり、公園で開催される祭りまでには建物の骨組みは全て解体されています。
飴安以外にも残念ながらこの通りにはここ数年精肉店2軒、八百屋1軒の閉店が確認できます。閉店により不便になり、高齢者の割合が結構高い地区であるため、もっと買い物場所を増やしてほしいです。
最近は大型スーパーや新業態店舗が増えて、これまで紹介した4軒など、地域密着のスーパーはどんどん閉店してしまいます。
大型スーパーは人が密集し混んでいる分、物を多く安く買うことができて、店内もきれいです。
小規模スーパーは住宅地等に近く便利なのですが、大型スーパーと競合すると負けてしまいます。
老朽化も重なると、小規模スーパーは営業ができなくなってしまいます。
いつかは閉店してしまうものですが、小規模スーパーも負けず、大型スーパーの出店を食い止めるくらい頑張ってほしいです!
以上でこの記事を終わりにします。 最後まで見ていただきありがとうございました。
コンビニ関連のブログですが、今後もスーパーについて話題があったらアップしたいとおもいます。