アイループ パソコン修理日記 -56ページ目

アイループ パソコン修理日記

大阪市阿倍野区のパソコンショップ「アイループ」における修理記録をつづります。

最近仕事が非常に忙しく、修理日記をサボりすぎな状態です。スミマセン…(^人^;)。


◆【発見に至る過程】

最近よくオンライントレード(外貨取引等)をされているお客様のパソコンについて、ツインモニタの環境を作って差し上げる機会が頻繁にあります。そこで依頼のあったデスクトップパソコン2台をセットアップしていたところ、1台から下のような症状が発生しました。


◆【症状】

隠しファイルや隠しフォルダが表示されない(設定変更しても反映されない)。


◆【調査】

この手の話は以前から聞いていたので、USBメモリ媒介ウイルスの存在を疑い、KNOPIX(Linux)上からCドライブ直下を覗いたところ、あんのじょう「autorun.inf」がありました。中をKNOPIXのテキストエディタで開くと、見慣れない実行ファイルの実行を指定していました。この時点でウイルスだと確信!


…というか、ウイルスとの格闘なんてひさしぶりでワクワクドキドキ(笑)。他にもCドライブ直下に不自然なほどたくさん(20個ほど)のexe実行ファイルが存在していて、怪しさ100点満点でした(^_^;)。


ウイルス名: Revoウイルス(トロイの木馬)、他

症状: 隠しファイル・隠しフォルダを表示させない、Cドライブのルートなどを表示しにくくする

感染源: USBメモリ、SDカード等

特徴: Cドライブの直下に[autorun.inf]を作成する(隠しファイル)


◆【処置】

格闘と言ったらおおげさですが、要はウイルスの手動削除・レジストリの手動変更・ウイルス対策ソフト稼動、このあたりで解決を図ります。よく勘違いされる点として「ウイルス対策ソフトさえ入れていれば安心」と考えられていますが、実際にウイルスに感染した場合、手動でウイルスを削除したり、ウイルスが(レジストリなどに)変更を加えた箇所を手動で修正しなければいけないことがあるのです


結局はウイルス対策ソフトなんて、感染後のインストールだと、単にウイルスを探し出して削除してくれるだけのものです。ウイルスによって犯された症状が直るとは限りません。


とりあえず、以下のサイト等を参考に処置を施しました。

「revo.exe、USBウイルスの駆除方法」


処置が終わったあともCドライブのルートが開けなかったのですが、再度レジストリとスタートアップのチェックをし、再起動をかけると改善しました。隠しファイル・隠しフォルダはすぐに表示できるようになりました。お客様には周辺のUSBメモリ等、リムーバブルメディアのチェックをするようアドバイスする予定です。


お手持ちのUSBメモリ、ドライブの直下に[autorun.inf]がありませんか??隠しファイルとして見えたなら、あなたのパソコンも感染しているかもしれません。USBメモリ媒介ウイルスのほとんどは[autorun.inf]の存在だけ注意すれば感染拡大を防げます。単にウイルス対策ソフトをインストールするだけでは安心できません。少々酷ですが、できる限りのセキュリティ知識を身に付けることをオススメします。


さらに蛇足ですが、USBメモリやSDカードに[autorun.inf]を作成し、icon指定してあげることで、これらの挿入を検出するとマイコンピュータ上にアイコンが表示されるよう設定することも可能です。よくマルチカードリーダなどを使っていると「リムーバブル ディスク」が4つくらい出てきて、どれにSDカードを挿しているかわからないという方が多いと思います。興味のある方は以下のサイトを参考に、ご自身のSDカード用アイコンを作成してみると楽しいでしょう。


「autorun.inf設定」


店長はSDカード本体をデジカメでマクロ撮影し、それを32x32ドットに縮小したアイコンを自作して表示させています。ドライブ名もプロパティから変更できるので、「◆SD_8GB」などにしておくと非常に便利です。また、[autorun.inf]を応用すれば、CD挿入時に自動で起動するCDを自作することもできます。


◆【その他】
西区の常連様。実作業時間...3.5時間。料金...0円。(店長が勝手に見つけて勝手に削除したので、料金は請求しません、ビデオカード増設によるツインモニタ設定は別で料金12,000円x2台分を頂いています)

◆【お客様の自覚症状】
パソコンの動きがあまりにも遅く、使用に耐えないのでメーカーの富士通に電話したところ、リカバリを勧められた。試しにリカバリしようと試みるもうまくいかず、どうしたらいいかわからない。富士通製デスクトップ、DESKPOWER CE21C、Win XP Home、AthlonXP_1.73GHz、256MB、120GB。


◆【実際の症状】

購入時からのメモリ不足。リカバリ自体は開始されておらず、普通に起動させると認識メモリ量228MBに対して使用メモリ量348MBで完全にオーバー。これではパソコンとして、全く使い物になりません。スワップが多発するためハードディスクの消耗も激しく、パソコンの寿命も短くなります。


◆【処置】

最初に自覚症状をヒアリングした段階にて、90%の確率でメモリ不足と判定しました。


実際に起動させるとユーザーログイン画面が表示されたため、リカバリの開始は失敗したものと判断しました。パスワードを求められましたので、例によってクラックさせていただき、きちんとデスクトップ画面が表示されることが確認できました。


ところが起動してしばらくするとすぐにメモリ不足の症状が発生し、1分程度経過したあとフリーズして動かなくなりました。


まずはメモリを256MB→768MBに増設し、インストールされていたウイルスバスターが問題なく動作するようにしました。この際、ノートンの Live Update などがゴミとして残っていたため、安定化のためにそれらと不要なレジストリ情報を削除しました。その他の不必要と思われるソフトやファイルを独断で削除しました。


気になることが一点だけ、タスクマネージャを確認すると、アイドル(待機)時でもCPU使用率が45~55%をキープしており、原因を特定するために時間がかかってしまいました。Process Explorer というタスクマネージャの高機能版(フリーソフト)にて、「System Idle Process」の中の「hardware interrupts」という項目がCPUを使用していることが判明しました。また、High CPU usage for hardware interrupts を参照すると、もしかしたらドライバが古いのではという判断をし、各種ドライバ類を最新状態に更新しましたが、やはりCPU使用率は安定しませんでした。いろいろメンテをするうちに、他のプロセスを使用しているときは hardware interrupts の使用率が激減してくれるので、システムには負担をかけていないと判断しました。おそらく通常使用での負担は無く、hardware interrupts のCPU使用については問題無いと判断し、そのままにしておきました。基本的には System Idle Process がCPU使用率のほとんどを占める現象は問題ありません。


その後にフルメンテを行い、安定動作を確認しました。内部もホコリがたくさん詰まっていたので、掃除機でガンガン吸い取ってクリーニングし、エアフローを確保しました。機械的な性能はそれほど高くないので、ウイルスバスターを動作させると快適とまではいきませんが、それまでの数倍の速度で動作するようになりました。


◆【その他】
ご近所様、持込修理。実作業時間...7時間。料金...9,450円。(メモリ増設4,200円、フルメンテ5,250円)

◆【お客様の自覚症状】
パソコンの電源を入れても、画面が真っ黒で何も表示されない。NECノート、Vista。


◆【実際の症状】

Windows Update で最新化していない Windows Vista において、スリープ状態からの復帰に失敗してしまった。


◆【処置】

本日午前中にプリンタをお届けし、プリンタとインターネットの簡単な使い方指導を行ったお客様です。サポートの際にパソコンの状態についてチェックさせていただいたので、Windows Update を行っていないことは知っていました。


また、SP1を適用していない Windows Vista は特に、スリープからの復帰で失敗して画面が真っ黒になる症状が頻発します。


今回はお電話にてご相談いただきました。この症状が出たら、電源長押しによる強制終了以外に方法はありません。また、サポートの際にお客様のパソコンの電源を入れるとすぐにログイン画面が表示されていたため、おそらく毎回スリープ状態で使用しており、パソコンの電源を切ることが無かったと思われます。


お客様に、毎回どのような方法でパソコンの電源を切っているかを確認してみたところ、やはりスリープの手順にて省電力状態に移行させていたことが確認できました


パソコンの電源を正しく落とせていないことをズバリお伝えし、きちんとしたシャットダウンの手順をお教えしました。念のため例外的にスリープ状態の使用が「間違いではない」こともお伝えし、その条件として Windows Update について触れたところ、「それは何ですか」ということでしたので簡単にご説明差し上げました。さらに、「どうしたら Windows Update できるのですか」とご質問いただきました。他にもいろいろと追加質問をいただきました。


電話が長くなりそうだったので、できるだけパソコンはシャットダウンし、電源を入れるときは今まで通り電源ボタンを押し、起動するまで2分程度待つようにアドバイスしました。実際にその操作(電源OFF→ON)を一度だけやっていただくと、Windows Vista が起動する際の画面を初めてご覧になったようでした


お電話でのサポートは、基本的に料金をいただけません。私はお客様の質問のほとんどに、丁寧かつ正確な返答ができる自信があります。それゆえ、ついでについでにと多くの追加質問を受け、お電話が長時間に及ぶことがあります。できる限りどんな質問でも、どれだけ長い時間でもお答えしたいのはやまやまですが、こちらもビジネスですので、ある程度の線引きはさせていただきます。


「Windows Update という機能についてご説明すると、だいぶ長時間になってしまいます。それ以外にも、パソコンを使う上で最低限知っておいていただきたい知識だけでも膨大な量になります。私もできる限りのサポートは行いますが、基本的にはご自身で試行錯誤して解決するように努力していただく姿勢を持つようにお願いします。」とお伝えしました。


あくまでも、店長の独断と偏見に基づく回答です。お客様からの強い信頼を得ることもあれば、逆に信頼を失うこともある、しかし綺麗事を並べるのが嫌いなのでストレートに考え方をお伝えする、そんな姿勢にてアイループは営業しております。


★余談★

私が初めてパソコンを買ったとき(完全初心者時代)に、当時パソコンに詳しかった後輩にソフトのインストール方法を教えてもらいました。

「じゃあ安部さん、このCDをパソコンに入れて、画面の指示に従ってインストールしてください。」

「えっ??手本見せてくれないの?」

「まず自分でやってみて、どうしてもわからないときだけ僕に聞いてください。」

「なんか利用規約とか出てきたんだけど?」

「利用規約ですか?最後まで全文読んで、同意できると思ったら[同意する]をクリックしてください。」

「うそ、全部読むの?」

「読まずに同意するんですか?」

「うっっ(-_-;)。」

もしかしたら、最初に彼に出会っていなかったら、私はここまで成長していなかったかもしれません。きちんと読む、考えてリアクションする、わからなかったら検索する、なぜその手順を踏むのか理屈を理解する、そういった姿勢がパソコン上達には必要不可欠です。


◆【その他】
電話サポート・生野区在住のかた。実作業時間...20分。料金...\0。