店のインターネット体験コーナーは、相変わらず子ども達のたまり場になってます。んで、最近よく起こる問題があるんです。その問題とは・・・
「クッキー」です。
「クッキー」とは、毎回IDとパスワードを打ち込まなくても、自分のアカウントにログインできてしまう機能です。
みなさんも覚えがあるはず。自分専用のパソコンであれば、非常に便利な機能です。しかし、不特定多数の人が使うパソコンでは、クッキーは途端に厄介なものとなります。
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で、店のインターネット体験コーナーはこれまで、クッキーが有効だったのです(←僕の危機管理不足でした)。問題は問題なのですが、これまで大きな問題にならなかったので、定期的に削除するだけの対応で済んでいました。
ところが最近、アメーバピグをはじめとするオンラインゲームが、近所の子ども達にかなり普及してしまいました。当然店のパソコンにも多くのクッキーが保存され、前に使った人のIDでログインできてしまう問題が発生。その結果、キャラクターを荒らされたり、パスワードを変更されたり、IDを削除される子まで出てきてしまいました。
現在クッキーは無効に設定しているので、こういった問題は起こらなくなっています。…が、それでいいのか悪いのか。一度キャラクターを荒らされた子どもは、こういったパスワード保存機能の存在を知り、IDとパスワードの管理について非常に厳格になります。これはとても望ましい結果なのです。
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頑張って育てた自分のキャラクターが、クッキーの存在により他人に乗っ取られ、あげく削除されてしまった。こういった経験が子ども達のセキュリティ意識を高めます。
彼らがもし僕の子どもだったなら、この経験で失うものが大きければ大きいほど、その後の成長が期待できるので、思いっきり痛い経験をさせるでしょう。たとえるなら、ちょっと強力なワクチンです。でも、一般の人にとってはあまりにも酷な話です…。
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アメーバピグや他のオンラインゲームについてぶっちゃけると、ルールを正しく理解していない小学生が大量発生することは、大人ユーザにとってものすごく迷惑なのです。ルールを知らない人が同じチームにいると、本当にイライラしてしまいます。
しかし、僕が子どもにパソコンを教える立場にあるとすれば、できるだけ早い時期からオンラインゲームをさせ、オンライン上のルールを学ばせると思われます。大人たちに罵倒されたり、変態から突然ナンパされたり、勘違いで人から嫌われたりして、その中から学んでいかなければならないものがあるからです。
上記はとても矛盾した考え方です。しかし、だからこそ僕は、オンラインゲーム上で子ども達の存在を認め、対等に話ができるんだと思います。
自己管理もできない、支払能力も無い、そんな年齢でオンラインゲームをやったり出会い系サイトに出入りすることは、どちらかと言えば望ましいことだと考えます。
いまどき子どもでオンラインゲームをやっていることは珍しくありません。ゲームは子ども達にとって、友人関係を維持するためにとても大切なものなのです。また、いまどきの子どもは、インターネットでアダルト映像を見られることくらい知っています。アダルトサイトを禁止したとしてもあまり意味は無く、よっぽどのことが無い限りは個々の判断で「泳がせておく」のがベターでしょう。
逆に、親や学校がそれらを意図的に禁止したとすると、成長したあとで大問題が起こります。いい大人になってから、オンライン上での常識の無さをとがめられたりします。大人は支払能力があるため、出会い系サイトに引っかかって金銭被害にあいます。
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バックアップ習慣の無い人が、突然のパソコン故障で大切なデータを失うのと同じように、人は痛い経験をしなければ成長できません。僕はパソコンのレクチャ業務もやっていますが、全て安全にことが運ぶように教えているわけではなく、あえて失敗をしていただき、そこから学んでいただく方針を取ることがあります。
みなさんのセキュリティ意識はどうでしょうか。ウイルス対策ソフトに頼りっきりではないですか?ウイルス対策ソフトの機能を把握し、正しく使いこなせていますか?いつパソコンが壊れても大丈夫なように、データのバックアップは万全でしょうか?ソフトウェアのダウンロードやインストールのとき、表示される画面や利用規約をきちんと読んで理解してから[次へ]ボタンを押していますか?
…学ぶことが山ほどあります。専門用語が出てくると、すぐに理解することは困難です。戸惑うことや失敗することが頻繁にあります。それでもパソコンは楽しくて、おもしろくて、便利で、現代人に無くてはならないものなのです。