(画像はAmazonの商品ページからお借りしています)
冒頭のページで
作中には先天性無痛症、統合失調症、強度行動障害、尖頭症など、
さまざまな障害を持った人物が登場しますが、その人格及び行動は、
登場人物に固有のものであり、それぞれの疾患や障害とはいっさい関係がありません。
としっかりことわっているのですが
昨今ネットやSNSで書かれたことを検証もせずに受け入れる人も多いことを思うと
小説でありフィクションであることをどれだけ明示してことわっていても
この作品は読んだ人に大なり小なり偏見や間違った先入観を与えそうで
読んでいる途中から心配になりました
刑法三十九条を主題の一つにしていてその問題点を読み手に考えさせるのは
推理小説として単純に楽しむ以外の価値を本書に与えてはいると思うのですが
読み終えてモヤモヤとした嫌な感覚が残るのでした
以下(「BOOK」データベースより)
神戸の住宅地での一家四人殺害事件。惨たらしい現場から犯人の人格障害の疑いは濃厚だった。凶器のハンマー、Sサイズの帽子、LLの靴跡他、遺留品は多かったが、警察は犯人像を絞れない。八カ月後、精神障害児童施設の十四歳の少女が自分が犯人だと告白した、が…。外見だけで症状が完璧にわかる驚異の医師・為頼が連続殺人鬼を追いつめる。