初見の作家さんです。

元は1991年に刊行の「魔術的な急斜面」を文庫化に際して改題したものです。

書影とタイトルに惹かれて手に入れ読みました。

古書の流通や価格付など興味深い要素は散見されるのですが、

全体として散漫な印象で面白みには欠けた作品だと思いました。

創元推理文庫で出すだけにミステリ要素もあるのですが、

如何せん中途半端な感じがして残念な結末でもありました。

ただ文庫化されてからでも20年ほど経つのですが、

絶版にもならずに現在も流通しているようですので、

私の気がつかない良さがある作品なのかもしれません。

 

 

以下(「BOOK」データベースより)

 

徳永直『赤い恋以上』湯浅良幸『日本史阿波史年表』福永武彦『ある青春』鈴木正『狩野享吉の研究』川上澄生『ゑげれすいろは静物』『有朋堂対訳詳解漢文叢書』菊池寛『真珠夫人』川口松太郎『鶴八鶴次郎』夢野久作『白髪小僧』海野十三『十八時の音楽浴』―この十冊を巡って繰り広げられる、壮絶極まりない稀書収集合戦の行方は。

 

 

#75