地球を訪れたエイリアンとのコンタクトを担当した言語学者ルイーズは、まったく異なる言語を理解するにつれ、驚くべき運命にまきこまれていく…ネビュラ賞を受賞した感動の表題作はじめ、天使の降臨とともにもたらされる災厄と奇跡を描くヒューゴー賞受賞作「地獄とは神の不在なり」、天まで届く塔を建設する驚天動地の物語―ネビュラ賞を受賞したデビュー作「バビロンの塔」ほか、本邦初訳を含む八篇を収録する傑作集。(「BOOK」データベースより)

 

初見の作家さんです。

 

2017年に公開された映画「メッセージ」の原作を含む短編集。

映画を観て以来読みたいと思っていたのですが、ほぼ1年後にやっと読みました。

この小説は映画よりももっと情緒豊かで、感性や感情に対して作用してくる作品でした。

 

収録作は

 

バビロンの塔 Tower of Babylon

 

理解 Understand

 

ゼロで割る Division by Zero

 

あなたの人生の物語 Story of Your Life 

 

七十二文字 Seventy-Two Letters

 

人類科学の進化 The Evolution of Human Science

 

地獄とは神の不在なり Hell Is the Absence of God

 

顔の美醜について ドキュメンタリー Liking What You See : A Documentary

 

の8編と作者による作品覚え書きです。

 

この8編がデビューから12年間で作者が書いた全てだということですので、寡作も寡作ですね。

 

あえて1番好きな作品を選ぶなら「理解」かなぁ。

なんとも言えない緊張感が心地良かったです。

題材としては映画ですがリュック・ベッソンの「ルーシー」2014年や

ニール・バーガーの「リミットレス」2011年などで扱われたもの思い出しましたが、

こちらの小説の発表が1991年ですので、先行しているのですね。

 

とにかく8編全て甲乙付け難く、時を置かずに何度でも読んでみたくなるものばかりでした。

 

作者自身は全作品ともSFとして書いたと仰られているようですが、読んだ者としてはあえてジャンル分けする必要さえない、素晴らしい一冊だと思いました。

 

 

 

 

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