「NIGHT PROWLER(夜、うろつく者)」と記された小さな紙片を、口の中に押し込まれ、次々と殺害される若い女。残酷な無差別殺人事件の陰には、カルトなホラー・ゲームに登場するヴァーチャルな怪物が―。暗鬱の「絶叫城」に展開する表題作ほか、「黒鳥亭」「壷中庵」「月宮殿」「雪華楼」「紅雨荘」と、底知れぬ恐怖を孕んで闇に聳える六つの迷宮の謎に、火村とアリスのコンビが挑む。(「BOOK」データベースより)

 

犯罪臨床学者・火村英生シリーズの12作目です。

6篇からなる短編集。

 

有栖川さんの作品は読んだ限りではどれも人死を扱っているのに、乾いたようなというかあまり情緒的なものは感じなかったのですが、本作ではそれに比べると多少感傷的なセリフや描写が顕在するように感じられました。

 

例によって、なんて書き方をするとトリックをお考えになった作家さんには失礼になるのかもしれませんが、6篇ともよく纏まったお話で安心して読めました。

 

これで今のところ積書状態の火村シリーズはお終いなので、今読んでいるノン・シリーズの1冊を読み終えたら、しばらくは有栖川さんからは離れたい気分かなw

 

 

 

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