幻想を愛し、奇行で知られたシュール、リアリズムの巨人―サルバドール・ダリ。宝飾デザインも手掛けた、この天才の心酔者で知られる宝石チェーン社長が神戸の別邸で殺された。現代の繭とも言うべきフロートカプセルの中で発見されたその死体は、彼のトレードマークであったダリ髭がない。そして他にも多くの不可解な点が…。事件解決に立ち上った推理作家・有栖川有栖と犯罪社会学者・火村英生が難解なダイイングメッセージに挑む。ミステリー界の旗手が綴る究極のパズラー。(「BOOK」データベースより)

 

犯罪臨床学者・火村英生シリーズの第2弾。

 

出版された順番に読むつもりが、これだけ別のところに積んでいたので気が付かずにいました。

まぁ、このシリーズは別にタイトル毎の事件が絡み合ったり、引用されることもないので、どれから読んでも良いようです。

 

これで4冊目ですが、今のところこの作品が一番好みでした。

私は推理小説の中でも京極夏彦氏の百鬼夜行シリーズや笠井潔氏の矢吹駆シリーズなどが一番好きなのですが、その理由の一つは作中で語られる蘊蓄です。

時には作品の本筋とはあまり関係ないことを延々と語るタイプに魅かれます。

 

その意味では今作中で火村が有栖川に対して語る犯罪と法律の件はまさに私にはツボでした。

そしてサルバドール・ダリに関する記述も興味深く、結構楽しませてくれました。

 

 

 

 

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