監事TはAグループのボスAと通じている人物。そのTを補充監事として総会で選任承認したので、Tは待ってましたとばかりにAの意を受けて動き出した。自分がいれば監事を補充することもなかったのだが、自分がいればTを監事として補充することなんか絶対認めないよう全理事個々に説得して回ったと思う。
それが忙しいのに面倒くさい、早く役員なんか辞めたい、こんなことに時間を割いてられない、役員なのに真剣に真面目になんか管理組合運営に関わりなくない、とどの理事もそんないい加減にやっているものだから、獅子身中の虫を役員に招き入れた。Tの後ろにAEFがいれば、もう表現のしようもないほどの大失態であり、一大事なのにどの役員もこれからどんなことが起こるのか自分は想像したが、誰にも危機感をもたず、迫りくる本当の災難をじ―っと見つめていたようだった。