令和5年5月になった。5月13日理事会の案内や議案書が全役員に到着する頃だった。5月現在の役員構成は理事6名、監事2名だった。理事は当初9名いたが、Bが欠格事由で資格喪失、Jが辞任、自分が監事へ移籍したため6名となった。管理規約によれば理事に定員はなかったが少ない。せめて1名くらい補充したほうがよいと思っていた。監事は2名と規定されているが、自分が先月の臨時総会で監事に就任したので定員を充足していた。が、先月末もう1人の監事が辞任を表明したので理事会は監事を決算理事会までに探す必要が出てきた。理事会は今月の理事会を入れると昨年10月以来8ヶ月のうち2月を除いて7回開催することになる。
副理事長IがAグループの一員になり、そのグループの顧問になったようだという未確認情報が飛び込んできた。そんなことになってしまったきっかけは先月の臨時総会で出席区分所有者が騒がしくなった時、Aグループに「うるさい!黙れ!」と一喝したことでABがIの部屋に行き謝罪を求めたらしい。
Iは謝罪するとともにI自身が不満に思っていたことをABに言い訳として話した。それは管理士顧問のせいで昨年10月から毎月のように理事会を開催している。役員も忙しいのにと。それも臨時総会まで開くことになった。そのせいでABたちに大声で注意することになったと。AはそのIの不満を逆手にとって巧みに仲間に引き入れた。Bの恨みを自分に仕向けたのと同様に今度はIの言い訳を管理士顧問に憎悪として仕向けた。AがBIをそそのかしている最低最悪の首謀者なのにコロッと焚きつけられて、その気になるほうもなる方で浅はかだった。
こどもの日の夕方、管理事務所の女性事務主任Pが在宅の自分と理事Dを管理事務所まで来てほしいと呼びに来た。今、夜勤従業員が応対しているが、役員を連れてこいとABが管理事務所に来ていると。Dと連れだっていくとABが管理事務所の前で自分とDを待っていた。そしてOとAグループ婦人部長Kも来ていた。
なぜ呼び出したのか聞いてみると、今朝地獄耳で放送局の女性区分所有者Oの部屋でOが外泊先から早朝帰ってきたら、また玄関のカギが開いていたという。ABはOが相談に来たので話を聞いてやったが、役員はOの話を聞いて何らかの対策を考えてやらないのかと。
こんなことはいずれあるだろうと自分とDはこの件については打ち合わせしていた。Dは強く出る役、自分は道理を説明する役。Dはスマホのボイスレコーダーで録音もすること。警察署の取り調べ室?みたい(笑)。
早速DはABに「警察呼んだらええやろ!」と先制パンチ。ひるんだABに自分が待合室で話そうと誘導。喧嘩にならないか心配して夜勤従業員もOKとついてくる。
向かい合わせに座ったところでもう一度Dが「警察呼んだらええやろ!」とダメ押し。一杯飲んでそうなBが身を乗り出してDの胸ぐらをつかみそうになるのをAが横からとめる。ABはいつものパターンと吹き出しそうになる。
夜勤従業員、OKが遠巻きに見守る中、話し合いが始まった。内容はOの部屋の不審者騒動についての対策。Aが口火を切った。Oは怖がっている。カギを替えてやるとかできないのか。玄関ドア前の廊下天井に監視カメラを取り付けできないのか。
自分からカギを替えるにしてもカメラをつけるにしても客観的に不審者が実際いたことを確認することが必要。Oの部屋で実際に被害が出ていないか確認する必要がある。そしてなぜ同じOの部屋だけにカギが開いているのかも調べなければならない。
カメラをつけるのは他の部屋のところでもつけてほしいと要望が出たら財務上不可能。不審者や被害の確認は役員であろうがなかろうが一市民には質問したり宅内に入って調べたりはできない。それができるのは職務質問、捜査権、逮捕権をもった警察官だけ。もう夜勤従業員もOもKもいなくなっていた。
通報して警察がやってきて捜査してOに事件性があるから調書を取りたいから警察署にきてくれと言って、Oが被害届を出してきたとなれば、その事件番号を理事会に提出してもらうことによってカギの付け替えを理事会は管理組合支出として行うことを承認する。
だから自分は誰が言ってきても警察にきてもらって捜査してもらって下さいという。何も自分やDが冷たい訳ではなく警察以外そんなことはできないのだから。Aは愚の根も出なかった。
攻守入れ替わって、不意打ちに自分はABに非常階段出入口ドアノブシリンダーを理事Cに発注させたのはABかと問うた。ABは事情を知っているDを前にして苦し気に知らないと答えた。帰宅したらマンション入り口に交換工事の貼り紙がしてあったので、初めてCがやっていることに気が付いた。
でも首謀者Aは知らないと言いながら食い下がった。防犯性が高くなるのになぜドアノブを交換してはダメなのかと聞くので、交換工事費用を管理組合から支出するには理事会承認を受けなければならないと答える。備品購入と変わらないではないかと聞くので、建物に付随した設備に変更を加えるものなら、理事会承認を受けなければならないと答えた。
自分が続けて防犯性というが利便性についても検討したとは思えない。一旦外に出ると忘れ物など取りに戻れない。大きな荷物や雨の日も非常口から入れない。住人の意向もきかずに事前に周知せず工事を強行した。外からの進入を想定していないから住人にカギを持たせることを考えていない。そのカギの複製はメーカーでしか作れずコピー代も高いというとAはただ頷くだけだった。
きっとAは今回のOの不審者騒動で非常口ドアノブシリンダー交換の正当性を主張したかったのかもしれない。それなのに警察を呼ぶことをしなかったのはOに不審者騒動を何度もでっち上げさせていた可能性がある。だから警察を何度も呼べば最後は厳重注意されることになるから警察に通報できなかったと思っていた。
この件に関してAに建物竣工から令和4年9月までの45年間不審者騒動は1件もなかった。昨年9月にCがドアノブシリンダー交換したが、3ヶ月後の12月24日までも不審者騒動はなかった。しかし、12月24日から45年間使用していたドアノブシリンダーに理事会決議に基づいて原状回復させたら令和5年5月までの半年間で10数件に及ぶ不審者騒動が起きる。一体どうなっているのかサッパリわからないと素朴な疑問をぶつけてやった。
Aは自分とDを叩くつもりだったが、形成不利なことがわかってAグループのメンバーがおよそ50名に達したので、臨時総会を要求しようと思うというので、管理規約によれば区分所有者総数と議決権総数のそれぞれ10分の一以上の請求があれば、開催できるので自由にやったらいいと突き放して返事した。例え十分に数字を満たしていても、どんな開催請求書を作ったらいいのかすらわからないだろうと思っていた。
Aは13日理事会に向けて副理事長Iを取り込み、自分とDをけん制して弾みをつけ、他にも何か企んでいた。
以降の話は次のブログ「マンション自主管理組合39」に譲ることにする。