11月5日理事会の翌朝、Cが管理事務所にいる従業員に昨夕理事長宛てに提出した理事辞任届を返してほしいと申し出てくる。その従業員が預かっている辞任届はこれから理事長に渡すとすでに連絡を入れてあるのでCには返せないというと、Cは提出した辞任届はあまりにも乱筆乱文なので、その辞任届を見ながらもう一度清書し直したい。だから清書し直した辞任届をすぐに再提出するから、昨夕出した辞任届を返してほしい。そこまで言われて従業員はCに昨夕の辞任届を返してしまった。
Cは返してもらった辞任届をもってマンションの館内を歩いていると副理事長Gに出くわす。CはGに昨夕理事を辞めようと思ったが、理事職を続けると伝えて去っていった。Aに入れ知恵されたCは管理事務所の従業員を清書するからと騙して辞任届をまんまと取り戻した。Gはそのことを管理事務所の前を通りがかったとき従業員に知らせた。
その従業員は騙し討ちにあってCに辞任届を返してしまった。Cは理事職を続けるみたいだ。次に管理事務所の前を通った自分に伝えてきた。騙された従業員はとても悔しがった。こんな手口でしてやられたのは初めてだと従業員は憤慨した。従業員が自分にこんな時はどうしたらいいのかと聞くので「清書の見本にするから辞任届本書を返してくれと言うなら、辞任届本書をコピーして、そのコピーを清書見本用として渡す。清書した新たな辞任届を事務所に持ってきたら、引き換えに預かっていた旧の辞任届本書を返すようにすれば、不正行為を防止できる」と助言した。しかし、もうこんなことは後にも先にもきっとないと思うと従業員にいった。
Aは理事会情報を得るためにCをスパイとして理事に残すことに成功した。総会や理事会の議事録は管理事務所に閲覧申請すれば見ることができるが、理事会の議案書や会議資料は役員しか見ることができない。今後AはCから理事会と役員情報を資料とともに得ることになる。ただ困ったことにCは何もわかっていない。ABに見たこと聞いたことすらキチンと伝えることができない。そしてABの耳に聞こえのいいことしか言わない。CはAの部屋で飲ませてもらいながら、理事会、役員、自分のことを誹謗中傷した報告をしてABの歓心を買った。ABCは最低最悪の高齢者だった。
11月5日理事会の数日後、理事会承認を受けてドアノブシリンダーの原状回復工事を管理事務所は業者に発注した。1週間ほどして業者から連絡があった。自分は従業員からその報告を聞いた。業者が9月29日まで45年間取り付けていたドアノブを取り外した時そのドアノブ8個をマンションに保管しておきますかと9月に連絡してきたCに尋ねたら、処分してもいいといわれて処分した。在庫もないので取り寄せに1ヶ月かかるから待ってほしいと。
自分は頭を抱えた。部品代も余分な出費となった。ABCは一体何を考えてこんなことをやっているのか。防犯性を高めるという名分だけで後は全部いい加減というか何も考えていない。本当にAグループは罪深いと思った。
12月10日理事会があった。ドアノブシリンダーの原状回復工事は12月24日に1日で完了すると従業員から報告された。11月5日理事会から1ヶ月半以上かかったことになる。CはABに報告するだろう。AはAグループの浅はかな成果を無にさせられたと自分を恨むだろうと想像がついた。
クリスマスが迫った20日頃、自分の部屋で玄関チャイムが鳴った。ドアを開けてみると業務会計責任者だった旧従業員Fが立っていた。Fは10月1日理事会で支配人だった旧従業員Eとともに不正疑惑を認定された。Fは事業手数料と称してリベートを得ていたが、退職月分のリベートを理事長と監事Aはその理事会終了後、Fに渋々放棄を認めさせた。
しかしFは納得がいかず理事長に12月入って連絡していたが、折り返しがなく、労働基準監督署に賃金不払いの申告をしに行ったという。自分にいわれても今ここで何も言えないし、途中から関わることもできない。理事長にはこちらからも連絡しておくからと言って帰ってもらった。しかし事業収入を主張しておきながら労基署に賃金不払いを通報するとはFも支離滅裂だと思った。
12月24日、非常階段出入口ドアノブシリンダーは原状回復した。9月29日から3ヶ月近くついていたドアノブシリンダー8個は取り外された。誰も気づいて言わないので、自分が管理事務所に取り外したドアノブ8個は処分せず錆がこないところに保管しておいてほしいと頼んでおいた。
来年年明け1月21日に理事会開催は決まっていた。来月1月も開催されれば、理事会は4ヶ月連続開催になる。そして令和5年はいよいよ大波乱の年になる。激闘の兆しは少しあったが、令和4年は静かに暮れようとしていた。
以降の話は次のブログ「マンション自主管理組合17」に譲ることにする。