このパート事務員は9月初めに自分に退職を申し出てきて知っていた。長年の苦労に役員として深々と頭を下げてお礼をいうと涙ぐんでいた。本来自分は会社経営の経験から従業員が退職を申し出てきた時は絶対慰留しない。経験上私がいないとどうにもならないのかと増長する場合と結局辞めてしまうことになるのがほとんどだからだ。

 

しかし、管理組合は当然自分の会社ではないし、他の役員たちが尽力して管理組合体制を立て直そうとしての気持ちから行動してくれたことなので、快く受け入れた。

 

10日にまたBから自分に電話がかかった。従業員人事の役割分担されてる関係でどうしてもその立場でええかっこしたい。またパート事務員の退職慰労金支払いは大丈夫かと聞く。本人が翻意して退職手続きを取らないのだから支払いは絶対されないので心配ないと答える。そうすると理事であるBになぜこの件を報告してこないのかと自分に聞くので、Gが言ってこないのはけしからんと言いたかったのだと気が付いた。支払いの件は前日と同じ返事をしておいた。

今度は自分からBにAの部屋でいつも謀議をめぐらしているので、ドアノブシリンダーの交換を知っていたのかと聞くとACが勝手にやっていたのだという。あんなことはやらないほうがいいというのであきれた。ACを知らないところで裏切って自分勝手なBだと思った。

 

12日朝から自分は車で外出した。出かけて半時間ほどで理事長から電話がかかってきた。車を停めて応答するとAが監事辞任届を管理事務所に提出したと。一番の問題は管理組合銀行印を会計理事ではなくAに預けていたが、辞任届と一緒に銀行印も返してきた。会計理事2名が忙しく判をついていいのかわからないので総務担当理事の自分に銀行印を預かってほしいと。今後管理事務所から連絡があれば支出のため銀行の出金伝票に銀行印をついてほしいと依頼された。月に2度ほどしかないから引き受けた。車を運転していたら次は管理士顧問からも同様の電話がかかる。了解する。今度は昼過ぎに副理事長Gからも同様の電話がかかる。了解すると伝えてABCの今後の動向が気にかかる。Aの意を汲んだBCが理事として残っている。でもBは理事資格がないので次回理事会でハッキリさせないといけない。そんな話をした。

 

理事長、副理事長G、管理士顧問の3名から要請があったので銀行印管理は自分が応諾すれば決定で良かった。理事会承認は安全管理上不要だ。16時頃マンションに帰って管理事務所から管理組合銀行印を預かることになった。

 

出金伝票に銀行印をつくのは大きく3つに分かれる。事業計画などで総会承認が出ている支出、数十万円程度までや緊急などで理事会承認が出ている支出、総会や理事会の承認不要の従業員給与など毎月の決まり切った支出など。これがマンション管理運営に慣れない役員は判をついていいのかわからない。また判をつく支出額が間違いがないのか何を確認しなければいけないのかもわからないから会計理事といえども銀行印管理を敬遠したがる。Aが持っていた時はもったいをつけていたがAも役員が銀行印を持つ意義がわかっていなかった。

 

ABCはマンションの管理運営の改革当事者というより役員現職自体に特権意識を持ち、ABは役員であれ誰であれ自身に報告してこなければ当事者に不平不満を訴える。役員、従業員、区分所有者、部外者に対してまでも主導権を握りたい一心で独善的な行動に走り、それを批判されたら仕返しをする。

特にAは誰にでも上からものをいい、相手に不正など弱みがあると、それで脅して言うことをきかせたり、失態がある相手ならかばってやって恩を売る。管理組合に不満がある相手なら同調して協力者にする。何かに秀でている相手ならおだてて教えてもらう。これらの人間を情報収集と管理組合運営の妨害のため糾合してAはこれから1年以上暗躍することになる。

 

以降の話は次のブログ「マンション自主管理組合12」に譲ることにする。