「先頭に立って物事を進め模範を示す」という意味。組織内ではその大小を問わず組織構成員のとても大事な行動指針の1つとなる。

 

中国の三国志に「泣いて馬謖(ばしょく)を斬る」という故事がある。

中国の三国時代、蜀の諸葛亮が日ごろ重用していた配下の馬謖が命に従わず魏に大敗したために泣いて斬罪に処した。三国志物語の中でも、とくに切なく胸を打つ名場面のひとつで、「泣いて馬謖を斬る」とは、「規律を守るために私的な感情を捨て、大切な人や愛する人を処分する」ことを意味する。 有能で将来有望な人物であっても法や規律の支配から逃れて背くことはできないとの戒めが込められた言葉でもある。

 

古来いつの戦争でも勝利軍は敗戦国に侵攻占領した時、敗戦国民への略奪婦女暴行を厳しく禁止する。もしそのような事案を起こせば軍紀に照らして厳罰に処したとある。

 

これらを率先垂範できた軍などの組織と構成員は規律正しい永続性のある集合体となる。現代の組織においては構成員は関係法令、就業規則やその服務規程、顧客との関係においては約款や利用規約などを進んで守らなければならない。よって率先垂範が重大な意味をなす。

 

法や規律から背いた1人だけに目をつぶって処分を怠れば、ダブルスタンダードとなって不公平さを招き、全員に示しがつかなくなる。組織や上長は信頼性を失っていき、近いうちに統率がとれなくなる。

 

組織は複数の人間で構成される。最小の組織は2人の構成員。2人に近いほど人間関係は濃密であり難しい。率先垂範も濃密な人間関係であればあるほど誰かが怠っていれば、巻き込まれていく可能性がある。

 

小さな組織を昔運営してきた経験者として感じたことを記した。正解かどうかはわからない。率先垂範は組織論の1つとして紹介しておきたい。