ネット検索すると、「同じようなことを繰り返して言ったり、長々と続けたりして、うんざりさせる。 しつこくて、うるさい。」の意味。若者に言わせれば、きっと現代用語では「うざい」になるのかもしれない。

 

自分が経営者でいる時、自分に近しい二人から「くどい!」と何度も言われたことがある。1人は会長だった亡父、もう1人は別れた元嫁。この二人は自分に対して1つだけ共通点があった。それは当時起きている社会現象特に科学的なことで、わからないことがあれば身内の自分に聞いてきたこと。ネットがまだなかったので身近な自分にでも聞くのは仕方ないことだと思い説明をしていた。二人とも説明してもなかなか理解しない。説明のし方が下手なのかと思い、学生時代中学生の家庭教師をしていたので、中学生くらいに教えるつもりで説明をすると、わかり始めるが、さらに関連質問が出る。それにも答えながら説明を丁寧に続けるとわかったとなる。

 

当時二人から何度も質問されて、時間をかけて説明していた。亡父には会社の経営方針に関連することも大切なので事細かく説明した。バカにしているつもりはまったくなかったが、二人には中学生に言って聞かせるくらいのレベルでないと理解してもらえなかった。二人とも何十回と質問して自分から説明されてわかるパターンが出来上がってくると自分の説明に、だから結論は何と説明の中抜きを求めるようになる。求めに応じて説明を省略し結論回答をいうとやっぱりわからない。仕方なく中抜きした説明をするとうっとうしがる。最後は説明者の自分に二人がわからないのは自分のせいにされる始末。

 

二人とも自分に説明を頼んでおいて、亡父はそんなこと細かく説明ばかりしてたら頭が禿げるぞと自分を口撃、元嫁は説明も聞かずにイライラするから結論回答を言えといいながら理解できず、自分の説明は「くどい」と批判しだす。

中学生相手に言って聞かすような扱いをされてプライドが痛く傷ついたのか、そんなことがあった後二人から質問が出たとき適当な説明をそれぞれにしてたら、今度はきちんと説明しろと文句を言われ、流石に仏の自分も「誰か他の人に聞け」と切れてしまった。

二人はこのことに関しては完全に他罰的人間で自分に質問して理解できないことは見事に自分のせいにした。

 

ビジネスシーンに置き換えると経営者から従業員に、上司から部下に、本社から営業所に、会社から取引先に、要望・依頼・連絡・報告事項がある時、10伝えたら一体10は決して伝わらないということを認識しなければならない。中継点や人を介していけば、5も伝わっていないこともあるだろう。情報管理は細心の注意が必要だ。

 

伝達者や説明者は「くどい」くらいのほうがいいが、聞くほうの態度も大切だ。両者の姿勢が円満な人間関係を形成し、相互理解が進む。

 

亡父と元嫁はもう会うことがないので、このストレスからは解放されている。やれやれ!