人事考課は大きな会社になればなるほど人事部などの専門的な部署で行われ、小さな会社になればなるほど経営者に近いところもしくは経営者自身が行うことになる。人事考課は従業員マネジメントの根幹でもある。労働基準法、雇用契約書、就業規則、会社の方針に基づいて従業員を個々に評価すること。

 

この時の判断材料は数値化できるものとできないものに分かれる。

 

数値化できるものは出社状況・キャリア(遅刻・早退・欠勤・勤続年数などの勤怠)、従事している業務の進捗状況及び処理量(勤務成績)、携わった商品もしくはサービスの売上高(勤務成績)、スキル(資格・能力)など

 

数値化できないものは態度振舞い姿勢(挨拶、接客、電話対応、言葉遣い、清潔感、身だしなみ、上司・同僚への報告・連絡・相談など)、責任感、積極性、向上心、協調性(対人関係)、規律性、正確性(几帳面)、整理整頓、安全衛生意識、経営(原価)意識、公私のけじめなど

 

自分は会社経営に携わっていたから従業員の評価を行う立場だった。経営者としていつも感じていたことは数値化できるものは客観性があり評価しやすいが、数値化できないものは経営陣や経営者の主観で判断され評価が難しい。従業員もわかれば反論したくなるかもしれない。

 

しかし、あくまでも自分の数少ない経験の中で大人数の従業員を雇用していた経営者の自分の視点からだが、数値化できる評価要素は数値化できない要素という土台の上に成り立っていて、数値化できない要素のほうを重要視してしまうことがある。会社経営のおいて従業員マネジメントは正解も絶対もない。よく司法の場で「人が人を裁く」という言葉があるが、「人が人を評価する」というのも社会の場では当然で避けて通れない問題で難しい。

 

昨今、労働基準法は労働者保護強化の観点から改正が行われている。とても意義あることだと思う。企業側特に中小零細企業が人手不足や法令順守で労務倒産しないように配慮する必要があるのではと経営者の端くれにいたものとして心配になる。日本社会の労働環境の向かう先を見つめていたいと思う。