何十年も前に東京にある取引先に打ち合わせのため1泊で出張した。翌朝定時に打ち合わせする部署があるフロアーに出社すると、同じフロアーの他の部署のスタッフも一緒になって30人ほどが朝礼を始めようとしていた。そこへ上の階から常務が下りてきて簡単な話を始めた。朝礼なんておざなりで業務連絡や注意事項くらいのものかと聞いていたら、自分にとってはとても興味深い話になった。30年あまり経った今でも覚えているのでブログを備忘録代わりにしておこうと思う。

 

自分は始業前の朝礼は嫌いだった。元々そこにいない人には伝わらない。公休の人にも伝わらない。右になれーの軍隊式の匂いもする。業務日誌でも作ってどこかに置いて自由に見れるようにしたらいい。今は一人一人メールがあるから簡単だが。

 

常務の話は5分くらいのものだった。人は生きていく上で大別して3つのことをそれぞれ助言してくれる人が3人いれば、より充実した人生を送っていくことができる。3つのことの1つは原理原則を指し示してくれる人、2つ目は欠点を指摘してくれる人、3つ目は心の傷を癒してくれる人だそうだ。この3つを配偶者、両親、兄姉、オジオバ、先輩、上司、恩師、友人、知人などが3つのどれかに自然になってくれているのが好ましいと。でも例えば配偶者が欠点を指摘する人ではプライベートは安らがないから、この3つのどれかに誰が当てはまるのか難しい問題だと感じたものだ。自分の周囲の人に当てはめてみようとしても、しっくりこなかった。

 

3つに大別簡略化してしまっているので、逆にそんな簡単なものではないと思ったところで出張の記憶は途切れた。血液型性格占いみたいで面白かった。