会社経営していたことがある。1つは3~4年、もう1つは約10年、と言っても上場している大企業ではなく中小企業。中小企業の定義は色々あるが、最初の会社の従業員数は約100人、そして後の会社は約20人だった。
日々会社では様々なトラブルが起きる。会社経営の根幹に関わる事態も発生する時がある。小さな問題から大問題まで最後は社長が対応を決断する。当たり前。自らが乗り出すことも多い。うまく解決すれば社長の指示のもと動いた従業員の手柄とし、解決に時間がかかり苦戦したり会社経営に打撃を被ったりしたら最終的に責任は従業員に押し付けず社長がすべてを背負う。
経営者は誰かにいくら相談しても教えてもらえることはほとんどない。資金繰りならなおさら誰も助けてはくれない。会社の命運は経営者が握る。自分は従業員やその家族の生活を守ることを会社経営の第一義とした。ステイクホルダーの一番上に据えた。とても難しいことだ。当然のことだが、従業員でも会社倒産すれば経営者に責任追及するし、順調な時は会社貢献の評価を求めてくる。
だから会社経営はステイクホルダーの仲良しクラブ運営ではなく冷徹冷静に収益を上げる事業を遂行していくこと。経営者は孤独といわれる所以だ。
社長を辞し、とてつもない経営責任の重圧からは解き放たれて久しいが今度は心を通じ合わせる人が少ないことに気づく。これもまた孤独といえるかもしれない。ないものねだりかもしれないが、残りの人生に人というオアシスを増やしたい。