父が香港旅行から帰ってきた。

その頃自分は父の会社で現場仕事を必死でやっていた。

週に1~2度しか母、妹、自分のいる本宅に戻って来ないようになっていたのだが、やけに機嫌よく帰ってきた。

ブランド品の土産を娘である妹に渡していた。母と自分には何も無し。

父自身はヴィトンのキーホルダー、長財布、セカンドバッグ、手さげ鞄、トランクを買って帰ってきた。
それらはすべてイミテーションスーパーAで偽物に喜んで大金を注ぎ込んだようだ。妾にも偽物を買いまくっていたのだろう。

正真正銘のバカと思った。自分は決して父のような生き方はすまい、反面教師にして生きていくと決心した。

しかし、父の会社の業績は絶好調で飛ぶ鳥を落とす勢いだった。宵越しの金を持たない父は慢心していた。

父の運命がつきるのに後約10年かかる。

以降の話は次のブログに譲る。