アメリカ旅行 1

自分は大学の講義がない時は、バイトをしまくり旅行などの資金を貯めた。貯めた資金の中から母に授業料の一部を返済した。

大学4年になる頃には米国への語学留学を夢見る。

現実的には父の会社への1日も早い入社、卒業論文の提出、社会の人的非流動性もあり、休学を考えず、成果はあまり得られないかもしれないが、4年生の間に2ヶ月足らずの旅行を決意する。

当時、まだ海外へ渡航する旅行者は珍しかった。関空はなく、大阪伊丹国際空港しかなかった。

伊丹からは米国本土への直行便はなく、週2回のハワイ便でホノルルに向かい、そこで入国し、サンフランシスコ行きの国内線に乗り換えて5時間かけて本土に向かった。乱高下が酷かったが、これが最も安い渡航費だった。

為替レートは1ドル約250円、米国入国査証取得には見せ金として100万円の預金通帳が必要だった。国外退去処分となった時、自費で帰国する資力があるかを証明するために。
手続きは学生留学旅行仲介代理店が代行してくれた。

伊丹からホノルルまで8時間、ホノルルで入国と乗り換え待ちに5時間、ホノルルからサンフランシスコまで5時間、合計18時間で米国本土に降り立った。

飛行機の中では初めて出会ったCAとのやり取りに苦笑する出来事が起きる。
最初にドリンクのサービスが出てくる。CAが自分のところでコフィー(コーヒー)オアティー(紅茶)と聞く。頭の中ではわかっていても、口をついて出てこない。

続いてウィズシュガー(砂糖要りますか)？と聞かれる。イエスがなかなか言えない。フレッシュもほしいので、そういうとCAが？？、ウィズミルクと言っても？？。困り果てているとCAがウィズクリームと気づいてくれて解決。

初めてのささやかな実践英語が繰り広げられ、英会話の端緒につく。

機内食も出る。ミートオアフィッシュと聞かれる。慣れてきて言えるようになる。食事を終え、食器類を引いてほしいときはフィニッシュトゥとCAに伝えれば、下げてくれる。

言語は学問だけでなく、他者とコミュニケーションを図る道具である。意思疎通を目的とする手段である。

飛行機の中で簡単な英会話ができるようになり、英会話は積極的に勇気と度胸をもって話しかけることが大切だと気づく。

サンフランシスコ国際空港から観光バスにのり、ダウンタウンの観光スポットを回った上で宿泊先のアパートメントに着く。ここでリブインとなり2ヶ月足らずの自炊生活が始まる。

サンフランシスコ中心街の北東部のバークリーに滞在した。

以降の話は次のブログに譲る。