告示まで一週間を切り、各候補の選挙戦術が見えてきた。

大井川候補の場合、自身が県内各地を回って積極的に遊説を行ういわゆる「ドブ板」と、ニコニコ動画出身らしくネットメディアを使ってのアピールの二本立てだ。

鶴田候補は、支援する共産党や各種市民団体を中心とした、オーソドックスなものとなっている。

残る橋本候補はどうなのかというと、これが選挙の常識をひっくり返すとんでもない戦術に打って出ている。

現職である橋本候補には、これまでの知事としての活動を通じて培ってきた組織票がある。

とはいえその組織票は元はと言えば一官僚であった橋本氏を24年前に擁立した自民党のものであり、今回大井川氏を立てた自民党によりかなり「奪還」され、目減りしている。

他候補とくらべて老齢でもあるし「魅力度最下位」の最終的な責任者でもあるため、ネットメディアなどを通して新規に支持者を取り込むことも難しい。

そこで橋本陣営が取ったのは、「限りなく投票率を引き下げ浮動票を排除し、手持ちの組織票だけで勝つ」というトンデモ戦術だったのだ。

これには、有力な対立候補である大井川氏に対するネガキャンを行い、有権者に選挙に対する興味関心を失わせる、という戦術も併用している。

一見、かなりの知将が思いついた策のようにも見えるが、肝心の自分の得票を増やす努力を二の次にしているため、投票率が下がれば下がるほど不安定要素は逆に大きくなり、わずかな浮動票の動向で敗北する危険性が高まる愚策である。

策の良否とは関係なく、「できるだけ投票させないようにする」というのは民主主義の原則に対する挑戦である。このような候補が勝利する可能性は日を追うに従って下がっているだろう。また良識ある県民であるなら、このような愚劣な戦術を取る候補を当選させてはいけない。