ある会社に通ってた時の通勤電車は、
ある場所に来ると、スピードを出した
背の低い私は釣り革に届かず、後ろに引っ張られ、
頭を床に打ち付けた
目の前で座っている女性は心配してくれたが
もう、降りる駅まで横でいたいと思った
それでも、なんとか起き上がって、左横に握り棒があったので、
手を伸ばそうとしたら、
若い女性が抱き付いていた
握ろうとしても、空いているところが女性の腰の辺りしかなかった。
これじゃ、私は痴漢になってしまうかもしれない
上の方はやはり届かない。
あの、今しがた私が転倒したの、見てますよね
また、私に転倒しろとでも?
いやいや、違う。
この時は4月だった。
きっと、彼女はポールダンサーに就職したてで、
通勤時も練習を怠らない真面目な新人さんなのだろう
結局、私は爪先立ちで高すぎる釣り革を持ってやり過ごしたのだった