休むよう言われても、眠ることは出来なかった。
夫に電話した。
「やっぱり、赤ちゃんの心拍止まってた。」
夫「嘘やろ…」
それしか言わなかった。
たぶんそうとしか言えなかったと思う。
「ごめん、ちゃんと産めなくて…ごめん…ごめんなさい…」
夫「謝らなくていいよ、○○が悪い事じゃないやろ。」
夫はもともと言葉数が少ない。
ただ、物凄くショックを受けているのが電話越しに分かった。
わたしがひとりで車で来てしまっていたので
家には夫と長男、身動きが取れない。
「一旦お母さんに連絡する。車、用意してもらうから。」
そう言って電話を切った。
母に連絡するのが一番辛かった。
母は子どもが大好きで、
30年以上保育士をしている。
今回も1ヵ月実家で過ごし、新生児育児を手伝ってもらう予定だった。
毎日連絡をくれて、2人目となる孫を心待ちにしていた。
夕方に胎動が少なくなったと連絡したばかり。
きっと陣痛を今か今かと待っている。
母「はい〜?」
電話に出た母の声は眠そうに『やっと陣痛きたの〜?』という期待の応答だった。
「ごめん、あの、夕方…胎動が少ないって言ってたの、 気になって病院で診てもらったんやけど…」
母「うん…?」
様子を察したのか声色が曇る。
「…赤ちゃん心拍止まってた。亡くなってたの」
母「えっ、えぇぇ そんな、なんでなの‥なんで…っ 」
お互い泣き出し、
電話の後ろで父が「どうした⁈」と飛び起きたのが聞こえた。
「ごめん、ごめんなさい。ママ、楽しみにしてたのに、本当にごめんなさい、ごめんなさい…」
夫に、長男に、母に、父に、お腹の子に
子どもの誕生を楽しみにしていた人全てにこんな悲しみを、こんな不幸を与えてごめんなさい。
わたしの不注意のせいでお腹の子どもを殺し
わたしのせいでみんなを不幸にしてごめんなさい。
この世から消えてしまいたいと思った。