5.ごめんなさい | 雨のあと〜臨月で死産しました〜

雨のあと〜臨月で死産しました〜

臨月39w6dで突然の子宮内胎児死亡。お空に帰ってしまった蒼ちゃん。記録とこれからの妊活と。





休むよう言われても、眠ることは出来なかった。





夫に電話した。
  




「やっぱり、赤ちゃんの心拍止まってた。」






夫「嘘やろ…」





それしか言わなかった。





たぶんそうとしか言えなかったと思う。





「ごめん、ちゃんと産めなくて…ごめん…ごめんなさい…」





夫「謝らなくていいよ、○○が悪い事じゃないやろ。」





夫はもともと言葉数が少ない。





ただ、物凄くショックを受けているのが電話越しに分かった。





わたしがひとりで車で来てしまっていたので
家には夫と長男、身動きが取れない。
 




「一旦お母さんに連絡する。車、用意してもらうから。」




そう言って電話を切った。






母に連絡するのが一番辛かった。





母は子どもが大好きで、 
30年以上保育士をしている。





今回も1ヵ月実家で過ごし、新生児育児を手伝ってもらう予定だった。





毎日連絡をくれて、2人目となる孫を心待ちにしていた。





夕方に胎動が少なくなったと連絡したばかり。





きっと陣痛を今か今かと待っている。







母「はい〜?」





電話に出た母の声は眠そうに『やっと陣痛きたの〜?』という期待の応答だった。









「ごめん、あの、夕方…胎動が少ないって言ってたの、 気になって病院で診てもらったんやけど…」





母「うん…?」




様子を察したのか声色が曇る。






「…赤ちゃん心拍止まってた。亡くなってたの」







母「えっ、えぇぇ   そんな、なんでなの‥なんで…っ 」
 




お互い泣き出し、
 

 

電話の後ろで父が「どうした⁈」と飛び起きたのが聞こえた。
 




「ごめん、ごめんなさい。ママ、楽しみにしてたのに、本当にごめんなさい、ごめんなさい…」

 


 


夫に、長男に、母に、父に、お腹の子に





子どもの誕生を楽しみにしていた人全てにこんな悲しみを、こんな不幸を与えてごめんなさい。






わたしの不注意のせいでお腹の子どもを殺し





わたしのせいでみんなを不幸にしてごめんなさい。





この世から消えてしまいたいと思った。