「いいから財布なおしてて」

 

独身男は伝票をサッと持って

 

部屋を出た

 

その後を慌てて後ろに続く

 

レジで支払いを終わらせ

 

玄関へ向かう独身男に

 

「本当に良かったの?」

 

金額が金額なだけに申し訳なくて

 

お礼を言うと

 

「俺が誘ったんだから全然いいよ」

 

ととても紳士な回答が返ってくる

 

「本当にごめんなさい ご馳走様でした」

 

車に乗りながら

 

次は一体どこへ行くのだろうと

 

不安になりながら窓の外を眺めていると

 

「時間いつまで大丈夫なんだっけ?」

 

聞かれて咄嗟に答える

 

「あと30分くらいは大丈夫かな」

 

男「じゃあ帰りながらちょっとドライブね」

 

と言ってコンビニに寄り

 

アイスコーヒーを買ってくれた

 

その駐車場で

 

「また今度さ、会ってくれる?」

 

そう言いながら手を握ってきた

 

「あ、、、うん 

また時間があるときにでも」

 

とても困りながら答えたが

 

独身男には

 

なし判定の微妙なリアクションが

 

ちゃんと伝わっただろうか

 

そのあと帰り方向へ向かいながら

 

独身男の地元案内などしてくれたが

 

そのほとんどがBと通った街並みでもある

 

どうやらBと独身男は同じ地元のようだ

 

ここBの出身中学だ、、、とか思いながら

 

独身男が思い出話をしてくれる

 

うろうろと寄り道もしながら

 

私の車のとこまで無事に送り届けてくれた

 

帰りついてカカオを開くと

 

”俺と付き合うとかって駄目かな”

 

なにか勘違いさせたかもしれない

 

Bのように

 

人妻とも遊び慣れた感じじゃなかったし

 

それとは違う『怖さ』を感じてしまった

 

なので

 

”付き合うとかまだ分からない”

 

と答えてしまった

 

すると

 

”俺のどういうところが駄目なの?”

 

こう聞かれて

 

正直に答えるのは危険と思い

 

”駄目とかじゃないけど

タイプではないかも”

 

きっと引き下がるだろうと思ったが

 

”あと一回だけ会って!”

 

意外に強い返しが、、、、

 

どう答えていいか分からず

 

未読スルーしてしまった

 

これが彼の怒りに火を付け

 

一週間ほど一方的に

 

怒りのメッセージが続くことに

 

ようやく収まったかと思われたが

 

私は後に独身男からあることで

 

嫌がらせに会う羽目にーーーー

 

違う男と会えば会うほど

 

Bの良かったとこを思い出す

 

少し冷めたとは言え

 

やっぱり私はBの事が好きなんだ

 

別の男と会うことで余計にそう感じてしまう

 

Bからのラインを見れば

 

仕事帰りに職場の人と

 

ご飯行ってたとか

 

私は誘われた事もないイベントに

 

友達と行って来たとか

 

女子が好きそうな飲食店で

 

母親をランチに連れて行って来た

 

そういう報告が増えていた

 

置いてけぼりを感じるやり取りしながらも

 

昼間会う約束は出来ないけど

 

夜なら会えるよと言ってくれた

 

そしてその夜が

 

ようやくやってきたーーーー

 

つづく