不動産業者に課されている法定研修

今回はweb動画での研修となりました。

集合研修と違って、

好きな日に、好きな時間に研修出来るのが良いのですが

１８０分（３時間）の拘束が必須となります

期間が１ヶ月あるので１日１時間の３分割も

可能でとてもハードルが低くなっております。

今回の内容は

「借地借家法の体系的理解と実務」

実務的に接している内容と重なるので飲み込み易かったね

確かに法律の『体系的』内容ではあります。

法律は　【原則】と【例外】の積み重ねなんだそうですよ

例えば　　　

【原則】（民法）

「不動産の賃借権は登記をすればその後

その不動産について物件を取得した者に

対抗出来る」（民法第605条）

→登記がなければ対抗出来ない。

ですが

【例外】（借地借家法）

①借地・・・建物に所有権の登記があれば

土地に賃借権の登記がなくとも対抗できる（借地借家法第１０条）

　＊借地人の家族名義の建物登記があっても対抗できない

（最判昭41・4・27）

②借家・・・建物の引渡しがあれば建物に

賃借権の登記がなくとも対抗できる（借地借家法第３１条）

↑　②はアパートの入居をイメージすると

わかり易いよね、アパートを借りて住むの

に賃借権の登記なんてしないけど

引渡し（入居）しちゃうと賃借権が成立し

ますから。

講師の弁護士先生によると

原則の上に例外が乗っかっていて、その上に

また例外が乗っている立付けなんだそうです。

言われてみれば成るほどなんですが、

「例外」って認識は持ってませんでしたよねぇ

それぞれが個別の法律って認識してました

また、

契約事は口頭で成立する、

いわゆる　『諾成・不要式の契約』

【原則】　当事者の合意のみによって成立する

なんですが

【例外】

①事業用（定期）借地権　→　公正証書が必要

②定期借家権　→　契約書（書面）が必要　

のように原則で契約書式不要となっているのに、例外として書面の交付を法定条件としているという立付けなんだってさ。

もうひとつ例をあげますと

解約についての

【原則】

　期間の定めがあるときは、解約の申し入れをしても賃貸借契約は終了しない

【例外】

　①「解約権の留保の特約（中途解約の特約）」をすることにより、期間の定めがある場合も解約の申し入れにより終了する

　②期間の定めのない契約の場合は解約の申し入れにより賃貸借契約は終了する（民法第６１７条）

むむむでしょ

不動産賃貸仲介の実務では

賃貸借契約書には『期間の定め』が必ずあるでしょ

でも解約条項も条文に入れてあるよね。

これが【原則】と【例外】を抱き合わせた契約書条文だなんて

考えたなんてあ～りませんでしたよぉ

当たり前の条文が

【原則】に【例外】を乗せたものだったとは

今回の研修は身近な賃貸借の実務に関係する内容でしたので

理解し易かったわけですが、法律ってやっぱり

奥が深いんだなぁと感じた次第です

最後にテストが５問だされて効果測定されましたが、点数は付かないので、研修終了です

法定研修を履行しないと、宅地建物取引業免許の更新に

影響があるとかないとか・・・

不動産業ってほんとに絶えず学習が必要な業界です

ではまた

法律の立付けは原則に例外を重ねているらしい