音譜昨年夏にKARA、少女時代が日本に上陸したが、この夏はKARAの妹分のRAINBOWや、安室奈美恵とのコラボで話題となったAFTERSCHOOLといったガールズグループの日本デビューが決まり、さらにK-POP人気が過熱している。RAINBOWは「To Me」「Sweet Dream」、AFTERSCHOOLは「Shampoo」を最近韓国でリリースし、いずれも音楽チャート上位を獲得しているが、この楽曲を手掛けているビックリマーク日本人プロデューサーのDJ「DAISHI DANCE」の元には韓国のアーティストから依頼が殺到しているという。その彼に話を聞いた

 韓国の音楽業界から注目されるきっかけになったのは、2006年7月に発売されたビックリマークDAISHI自身のファーストアルバム『the P.I.A.N.O set』。「韓国には一度も行ったことがなかったのですが、メロディアスな音楽が好きそうなイメージがあったのと、アジアの方に自分の音楽を聴いてもらいたいという思いで、日韓同時にリリースすることになったんです」。
 そのメロディアスでドラマティックなDAISHI DANCE独自のスタイルが印象的なアルバムがビックリマーク韓国内のトップチャートを賑わした。これを新しい音楽としていち早く受け入れたのが、当時、研修生として下積み時代を送っていた今、人気のK-POPアーティスト達だ。音譜「彼らと会うと凄い確率で僕の曲よく聴いているよって言ってくれるんです。僕のアルバムの曲をプライベートでも聴いてくれていて歌やダンスのレッスンをしていたり、楽曲を作り参考イメージにしてくれていたようなんです。2006年を過ぎた頃から現在活躍中のK-POPアーティストが続々とデビューするのですが、そんな彼らのデビュー時期と自分の韓国での活動タイミングがリンクしてプロデュース依頼が来るようになったのかもしれません。ここ5年くらい韓国で大きなフェスに出たり、ソウルのクラブで毎月レギュラーDJをしていて、実際に現地でアーティストや音楽関係の人と会えるのも大きいと思います。多い時は打ち合わせやレコーディングで毎週韓国の芸能事務所やテレビ局に訪れています。信頼関係が一番大切ですから。韓国の方はファミリーのように受け入れてくれて嬉しいです」。
 一番最初にK-POPの音楽制作にかかわったのがビックリマークBIGBANGだ。「BIGBANGのリーダー・G-Dragonが僕の音楽を聴いてくれていたそうで…。彼がヴォーカル関連を、僕がトラックを担当した共作となりました」こうしてできたビックリマークDAISHI初のK-POPプロデュース作『HARU HARU』は、音譜韓国内の賞レースで4部門を受賞、2008年度の大ヒットを記録する。BIGBANGは、2009年に「MY HEAVEN」で日本デビューを果たし、日本レコード大賞最優秀新人賞を獲得しているが、この曲もビックリマークDAISHIがプロデュースしている。
 「『HARU HARU』のおかげで、韓国のいろいろなアーティストの方やテレビ、音楽業界の方に声をかけていただいたり、一般の人にも認知されるようになり、自分の音楽が韓国の人に広く受け入れてもらえたのを実感できて嬉しい」と語る。DJとして毎月ソウルのクラブイベントでプレイをしているが、観客は倍々ペースで増え、先月6月に行われたイベントの動員数はなんと4,000人以上。そしていま最も勢いのあるK-POPプロデューサーとしてもオファーが殺到するようになった。
 そんなDAISHIの目に、音譜日韓両国から見たK-POPシーンはどのように映るのだろうか。ビックリマーク「日本と比べてポップスの文化がまだ新しい韓国は、日本の90年代の音楽業界の盛り上がりと似た勢いを感じます。海外のダンスミュージックの要素をポップスにダイレクトに吸収していますね。制作チームもみんな若くて柔軟ですし、楽曲制作やプロモーションのシステムなど音楽業界自体の動きがとにかく速いです。自分のつくった曲をそのまま取り入れて、すぐにインターネット配信でトップチャートを狙いにいってくれて、リスナーの反応もすぐに分かるという独特のスピード感やノリのよさは、プロデューサーとしては楽しく、やりがいもあります」。
 また、音譜ヒットを生み出す仕組みにも日韓では大きな違いがある。ビックリマーク「韓国では音楽売上が完全に配信サイトに移行しています。ポータルサイトに音楽のランキングが表示されていて、そのまま購入できるという仕組みと習慣ができているので、新曲が急速に広がりやすいんです」また、音譜テレビの音楽番組で、木曜から日曜まで4日間連続、人気アーティスト達のショーアップされたライブパフォーマンスを生放送するのも特徴だという。ビックリマーク「日本の場合、新曲をリリースした後、いつくかの歌番組で曲を披露する程度ですが、韓国の場合は、数週間連続で音楽番組に出るので、多くの人に覚えてもらえるんですね。新人アーティストもいきなりブレイクすることもできるので、次から次へと新しいアーティストが輩出されていますね」。
 今後も自身のDJプレイと合わせて韓国でのプロデュース活動も積極的にやっていきたいと語るDAISHI DANCE。K-POPが日本で次々とヒットを飛ばすなか、彼が韓国でプロデュースした楽曲がたくさん日本に逆輸入される日も近そうだ。
合格最近、2PMやCNBLUEなどのK-POPが大好きになりましたが、日本人に、こうした先駆けを作った人がいたのは知りませんでした。DAISHI DANCEさんの曲も、是非、聞いてみたくなりました。