東日本大震災で被災した福島第1原子力発電所の事故を受け、日本産科婦人科学会は3月15日、放射線に被ばくした妊娠・授乳中の女性へのヨウ化カリウム投与に関する見解を発表した。被ばく線量が計5万マイクロシーベルト以上の場合、50ミリグラムのヨウ化カリウム錠剤2錠を1回服用することを勧めている。ただ、妊婦が40歳以上の場合、服用後の甲状腺がんの発症率の低下が見込めない可能性もあるとしたほか、ヨウ素過敏症や造影剤でアナフィラキシー反応の既往歴のある妊婦は服用しないよう求めた。
見解では、被ばく後に放射能汚染のない場所に移動し、安全な水と食べ物を摂取している場合は1回の服用で十分と説明。しかし、その後も5万マイクロシーベルト以上の被ばくを受けた場合は、1日1回計100ミリグラムの服用を勧めている。
こうした治療を受けた妊娠・授乳中の女性の新生児や乳児については、甲状腺機能の異常が懸念されるため、新生児は生後すぐに、乳児では適切な時期にTSH、free T4などを測定し、必要であれば甲状腺ホルモン補充療法などを行うとした。
一方、ヨードチンキやルゴール液などは内服用ではない上、ヨウ素含量が少ないことなどから、ヨウ化カリウムの代替品として飲まないよう求めたほか、海藻などを食べても十分な効果がない可能性があるとしている。
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