ここに出てくるのは
精神が不安定な女、自意識過剰な女、嘘つきな女、迷惑な女、自己中な女。
それぞれのお話。
何年、何十年と経ってもきっと
彼女達はずっと
精神が安定せずとも飄々と生き、
現在の自分を見ることなくプライドだけが高いまま、
自己防衛に優れ演技が上手くなり、
自身の行為に後悔することはなく、
悲劇のヒロインになったことを喜ぶのだろう。
夢ならいいのに。
この現実が。
そんな願いを抱えて日々を過ごすひとたちが
この世のなかにどのくらいいるのだろう。
だけどこれは夢じゃないから。
どうにもならないことがあったとしても
きちんと毎日を過ごさなきゃいけない。
夢じゃないから。
ふわふわできないから。
現実はときどきどうしようもなく苦しいけれど
逃げることなく暮らしているわたし達はきっとそれだけでとてもえらいんだ。
