久しぶりのお湿り、喉が楽な気がする。
雨は降ったけど寒くはない。
寄席に向かう時間帯は上がっていて、
いつもと変わらぬ格好(長コートだけ羽織って)で出掛けた。
末廣には20人ほどのお客さま。
この芝居、一番静かな客席。
声が上がる反応はほとんどない。
萬橘さんの【猫と金魚】、
めっちゃ面白くて楽屋で笑いを堪えながら聞いてた私は、
「あれ?」
という感じだった。
とはいえ、それぞれ楽しみ方がある。
『私は笑うけどあの人は笑わない』というのがあって当然だし、
まわりに気を遣ってたら心底楽しめない。
こればかりは押し付けるものではない。
となると、今日は何のネタがいいんだろう。
「自分のやりたいものをぶつけてもいいかもしれません。」
というアドバイスをもらった。
「よし、もう今日はこれだっ!」
と初っ端から決めてしまうのも確かに手の一つ。
とはいえ、ガッツリ押すタイプではないなぁ。
それなら、自分が読むのに必死になるネタを選ぼうと、
(余計なことまで考える暇は無い、笑)
昨日久しぶりに読んだばかりの【秋色桜(しゅうしきざくら)】に入った。
しのばず寄席は30分高座、フルで読めたが末廣は15分弱。
読み進めながら時間の見当をつけ、前半の程よいところまで読んだ。
お客さま、静かだった。
話の途中、お手洗いに立たれたお客さまもいらっしゃった(途中でお戻りに)。
至らぬ高座で申し訳なかった。
まわりから見たら挫けそうな高座だったと思う。
でも、今日しか味わえない空気感が不思議と楽しかった。
負け惜しみではなく、ちょっと楽しかった。
できることなら、
お客さまをもっと楽しい《ネタの世界》へお連れしたかったけど、、、、
頑張ります!
今日も今日とて、反省を抱えながら家路についた。
明日は千穐楽。
お客さまの大切な時間をいただいているということを忘れず、
楽しく高座を務めたい。
ひまわり