ほどなくして
父はリハビリ病棟のある病院への
転院が決まった

今後は言葉のリハビリを重点的に
していく事になる

そしてこの病院は
偶然にも
今は施設に入っている父の内縁さんが
病に倒れた当時入院していた病院だった

おお!これは運命だろうか?



転院の日は急に決まったので
私は仕事が休めなかった

従兄に父の事をお願いをすると
快く引き受けてくれた

ただ入院の手続きだけは
私がしなければならない
と病院から言われた

仕事が休みの日に
今回は日帰りで行く事にした


謎のオバサンにも
転院の日はもちろん連絡済み

当日
父は普通に動けるという事だったので
従兄の車で移動してもらう
はずだった

時間は午前中

新しい病院はそう遠くない

もう終わった頃かな

仕事のお昼休みの時間に
従兄に電話をした

スムーズに移動できたと聞き
安心した

お礼を言うと従兄は
自分は荷物を運んだだけだからと
言う


どういう事だ???


病院の玄関を出ると
謎のオバサンが手配した
介護タクシーが待っていて

父と謎のオバサンは
二人で介護タクシーに乗り込み
さっさと新しい病院へ向かったそうだ

結局
従兄は荷物だけを運ぶ事に
なってしまったらしい 

ごめんよ


オバサンも
一言相談してくれりゃあいいのに
勝手にもう!


翌日
手続きの為に朝早く家を出て
父の転院先へ向かった

病室に行くと
移動の疲れもあるのか
しかめっ面をした父が
ベッドに寝ている

さらに痩せて
顔色も良くない

大丈夫なんだろうか

何だか声がかけられずに
しばらくぼんやり父を眺めていた

ハァ〜
何だか疲れたなあ

いやいやそんな事言ってられない
今日は帰るまでに
やることいっぱいだ

頑張らねばならぬ