Track 07 「 swan song 」
今作のアルバムを締め括る、一聴するとアップテンポで爽やかな青春ソング。
TACK朗節炸裂で、デモの段階から「 これだ!! 」と名曲になる予感しかしませんでしたね。
「 ヒスパニらしくない 」なんて声も有りましたが、個人的には今作で最もヒスパニっぽい楽曲だと思っています。
聴く人によっては「 希望に溢れたステキな曲 」
聴く人によっては「 救いようのない酷い曲 」
上記の感想は実際にリスナーやライターさんから頂いた感想で、聴く人よって曲の印象がガラリと180度変わるのが面白い。
そしてそのどちらの解釈も決して間違ってはいないと言うこと。
前者のように聞こえた人間からすれば それは確かに「 ヒスパニっぽくない 」のかもしれませんが、どちらとも受け取れる内容で歌詞を書いた俺からすれば してやったりと言う感じ。
メジャーで色々な制約が有るからこそ出来た表現の面白さ。
これでも割と露骨に表現したつもりですけれども。
ちなみにメンバーからは「 過去イチで残酷な曲 」だとの御声を頂戴しました。
タイトルの「 swan song 」とは、ヨーロッパの伝承の1つ。
白鳥は生涯鳴かないが死ぬ間際に美しい歌を歌うと言う伝承。転じて、人生最後に披露する舞台や演奏や戦い、或いは人生の最後に成し遂げる事を指します。
前作「 ノイジー・マイノリティー 」の「 ハナウタ 」と言う楽曲の世界観に近いモノが有るのですが、
己の音楽人生や人としての一生を俯瞰で見つつ 最終的にはバッドエンドな未来予想図を思い描いて歌詞を綴っています。
「 ハナウタ 」では人生を花に喩え、誰にも見向きもされなかった路地裏の花が 漸く陽の目を浴びるも 最期はまた人知れず枯れていく… と言ったストーリーで
歌詞中に「 歪な辞世の詩 」と言うワードが出て来るのですが、実はそれがこの「 swan song 」と言う位置付けになっています。
「 辞世の詩 」、即ち これが人生最期の曲になっても良いと言う想いで歌詞を書き、アルバムの最後の楽曲にしました。
醜いアヒルの子が空を優雅に舞う美しい白鳥に憧れるように、ずっと日陰で生きてきた自分も いつしか輝かしいステージに立つバンドマンに憧れて その人生を歩み出しました。
が、「 醜いアヒルの子 」も所詮は創作のシンデレラ・ストーリー。夢物語。現実は違う。
アヒルの子はアヒルの子で、白鳥にはなれない。
思い描いていた理想と現実の差に絶望し、彼は「 こんなはずじゃなかった 」と 己の惨めさに涙します。
退路はもう無い。引き返せない。崖っぷち。
物語のラスト、「 さようなら 」と告げ 大空へと飛び立った彼の背の白い羽は
憧れた白鳥の美しいそれか、もしくは天へ昇る天使の羽か。
果たしてこの楽曲は頑張る誰かの「 背中を押す 」ような曲になるのか、
もしくはビルの屋上に立つ誰かの「 背中を押す 」ような曲になるのか。
「 きっと上手くいくさ 」
「 今日は上手くいくさ 」
「 上手に飛べたかな?? 」