身長があと10cm低かったら、歴史が変わっていたのに。
あたしの。
春ですねって言って毎年恒例の健康診断を行ったところ身長が伸びていました。
調子良かったのかな、あたし。
伸びていた身長は、自己最高記録を更新していました。
調子良かったんだな、あたし。
そうして何を見つめるでもなく、何を嘆くでも感動をするわけでもなく、全くの無表情で心の中に浮かんできた、冒頭の言葉を思ったわけです。
「身長があと10cm低ければ、歴史が変わっていたのに。あたしの」と。
Twitterでつぶやいた内容とほぼ同じ内容をブログに回りくどく起こすことで定評のある私です、まりこです。ご機嫌いかが。
最近肩凝りと腰痛が酷くて治療院に通いながら自分自身を騙し騙し、
今日を乗り切ればお布団に潜って、明日をやり過ごせばまたお布団に潜れるからね〜まりちゃん頑張ろうね〜と騙し騙し日々を過ごしていたのですが、
こりゃアカン、どう考えても腰が痛い、肩がやばい、最早歩く度に激痛が走っとるやないかい、となったもんで
最近バックパックなるものを使うことにしたんです。
なんていうの、リュックサック？
あの、ほら、ナップザック？
小学校の家庭科の授業の時間とかに、すげーよくあったなこのダセェ生地っていう生地で作った、あれの一種でしょ？
くらいの知識しかないあたしは、
バックパックって、ヒッチハイクとかする人のことじゃないの？くらいの知識でこの言葉を使っているんですけれども、そんなにおちゃらけた気持ちで使用し始めたバックパックの効果は絶大。
身体に無駄に負荷がかかってる感じがしなくて、ねじれてる感じはあるのだけどそれはもう自分の体幹が悪いので置いといて、無駄にねじれて負荷の掛かってる感じがない。
素晴らしいなこれ、これは発明だな、と思いつつ、
やはりバックパックとなるとサイズが大きいのでね、電車や駅ではマナーとして
背中からお腹の方へ移動させ、抱きかかえるスタイルになるわけで
「ああ、これが自分の子を抱きかかえるということなのね、これが子を守るという感覚なのね」と感慨に耽っていたのですが、
何というかね、足元が、見えない。丸で見えない。
階段なんて軽いバンジージャンプくらいの気持ちになる。しかも紐なし。
いやでもあたしは守る、自分の子供と思って、このバックパックとあたしを守る。
そうして晴れ晴れとした笑顔でこう答えるんだ、母子共に、健康です、と。
っつーかそもそも子供じゃねえけど。
子供産む予定もねえけど。サラッサラにないけど。
そんな気持ちで意気込んで日々の狂った狂想曲を奏でている通勤帯の電車に乗り込んだわけですけども、
足元に見えない通勤帯の時間の電車なんてあたしにとっては完全なる前振りでしかないわけで、期待通りに足を滑らし、人々の非難と悲壮な目線を浴びせられながら思ったわけです。
「世の中のお母さんたちって、子供をお腹に抱えて偉いなあ」
「あたしは絶対におんぶ紐の方が安全のようなきがするんだけどなあ」
「あたしは子供が生まれたら絶対におんぶ紐にしよう」
「っつーかそもそも子供産む予定ないな」
「全くもって、産めるような気配もないな」
世の中に女子の平均身長はおよそ158cmだそうです。
先日計測された私の身長はおよそ173cmでした。
もしもあたしの身長が10cm低ければ、あたしの歴史は変わっていたかもしれない。
上目遣いで男の子を見つめて、自分より背の高い彼氏をちゃっかりゲットしちゃって愛され女子でとうに結婚をして、トントン拍子で子供を産んで、子供は既に5歳と2歳で〜なんて話をママ友なんかにしたりして。
駅の満員の時、抱っこ紐で子供抱いてると足元見えなくて怖いよね〜（わかる〜！）なんて話に花を咲かせたりなんかして。
もしもあたしの身長が10cm低ければ、あたしの歴史は変わっていたかもしれない。
そんな歴史を、紡いでいたのかもしれない。
そんなことを三分咲きの桜を一人で眺めながら諸行無常と散りゆく刹那に己を重ねて見ていて気付いたことは
あたしから10cm身長を引いたところでようやく163cmで平均身長よりも結構高いし、
なんなら女子で163cmって実は結構高く見えるし、
10cmくらい引いたって全然歴史覆すには足りねえじゃん。
酒もってこい。
