私がヒプノセラピーを教える日本ホリスティックアカデミーでも学ばれた岩下光由記さんが前世療法をもとにした素晴らしい本を出版されました。本の題名は『前世から届いた遺言』(文芸社刊)です。 https://www.amazon.co.jp/s?k=%E5%89%8D%E4%B8%96%E3%81%8B%E3%82%89%E5%B1%8A%E3%81%84%E3%81%9F%E9%81%BA%E8%A8%80&__mk_ja_JP=%E3%82%AB%E3%82%BF%E3%82%AB%E3%83%8A&ref=nb_sb_noss
人はみな魂の存在として次の人生を迎えるという生まれ変わりの法則をテーマとした事実に基づく物語です。

岩下さんは保険業を営む経営者であり、ヒプノセラピストの資格もお持ちの方です。一般社団法人日本臨床ヒプノセラピスト協会の会員が自動加入となる保険も岩下さんの熱意で実現したものです。
何人かの登場人物はわたしも知り合いであったり、お世話になった先生方であったりします。ほとんどの登場人物がひとつ前の人生から深い事情をもってこの人生に転生しているのです。
主人公(天宮真輝)の妻や親戚縁者、この人生で知りえた友人や職場の同僚や恩人たち。皆がそれぞれ役割をもって前世からつながり合っていることが判明していきます。
それは数十年前にあった戦争の犠牲となった人たち。歴史の波に翻弄され、自分が本来生きるべき人生を全うできずに非業の死を遂げた魂たちが、次の人生に希望を託してこの世に戻ってきているのです。
主人公天宮真輝は、最初はまったく気づかずにいた前世からのそのつながりに、少しずつ気づいていくようになっていきます。
天宮真輝は前の戦争で死んだ父の叔父天宮芳雄の生まれ変わりであり、真輝の妻となる山岸蘭は広島の原爆で亡くなった祖父の姉で看護師の山岸和子の生まれ変わりであることがわかっていきます。
「前世は何かメッセージを送ってくれる存在・・・。たぶん、気付いてくれって、俺たちが死んだのは未来の子供たちのためだって、せっかく授かった赤ちゃんの顔を見ることも。抱くこともできないまま、それどころか結婚すらせずに死んでいったたくさんの戦没者たちの気持ちをほんのすこしでもいい、わかってほしい、伝えてほしいってメッセージを送ってくれているのかもしれない」
これは主人公の中学生時代からの友人大山賢祐(天宮芳雄の軍隊での同期の友人大山重人の生まれ変わり)の言葉です。
この物語は岩下さんと主人公がほとんど生き写しとなっています。どこまでが事実でどこまでが創作かはご本人にもわかりえないかもしれません。
ただ本の中に出てくる戦時中の写真は岩下さんの縁戚者のものです。またこの本の中には小林登先生(1927年生まれ。国立小児病院名誉院長)ご本人と思われる人物も登場します。小林先生と大山賢祐の祖母だけがこの物語の2つの時空の生き証人のようです。
チャールズ・ディケンズは『二都物語』で 2つの都市、ロンドンとパリを舞台としてフランス革命前後の混乱した政治社会に翻弄される人々を描きましたが、岩下さんは2つの時代、戦時中と戦後の現代という2つの時代を結んで、天宮真輝の周辺に的を絞って、その時代とこの時代をともに生きて死に、またともに生きる人々の物語を描いています。
英雄の旅としてこの人生航路を進みながら、単にこの世の時空だけでなく、前世の時空とのつながりを紐解いているようです。
筆者はまえがきの中で、この本は「前世は自ら求むるものを導く」(魂導論)であり、「主人公が時空を超えてめぐり逢う魂の軌跡に辿り着くまでの物語」であると書いています。
戦没者たちの無念の思いが生まれ変わった者たちに平和な世界を作らせようとする力を与えているのかもしれません。
戦争の歴史の部分を理解するにはすこし時間を要するかもしれませんが、過去の歴史を学ぶことも大切なことです。前世の内容紹介がほとんどのこれまでの前世本とは違って、この本は実際の歴史と絡めて前世療法の深い価値を教えてくれる良書です。
