お奨めの映画は何ですか?と聞かれると、その方の好きな映画を聞いてから答えます。

最近の映画より古い映画の方が印象に残ってるいるせいかついつい、古い映画やマイナーな映画を奨めてしまいまいます。

最近、進めた映画は「べティ・ブルー/愛と激情の日々」で有名なジャン・ジャック・ベネックス監督の1981年作【ディーバ Diva 】です。


ディーバ ベネックス

80年初頭まだ元気がなかったフランス映画に新しい風を起こした映画としてアメリカや日本へもニュー・フレンチ・アクション・シネマとして紹介され、それぞれにヒットしている。


日本ではミニシアター系や単館ロードショーなどで公開だったから知らない人も多いかもしれません。


【ストーリーは・・】

レコードを出さないオペラ歌手シンシア・ホーキンスの歌声を高性能録音機で「盗聴」する郵便配達夫でクラッシックマニアの主人公ジュール、彼のオペラ歌手への愛情はファンを通り越して「女神」にまでなっている。


翌朝、サン・ラザール駅の前で裸足の女、ナディアがいつもイヤホンでシャンソンを聴きながら「仕事」をしている殺し屋の2人組に殺された。ナディアは売春組織から逃げだし、死ぬ直前にジュールのモビレットに組織の秘密を暴いたカセットテープをこっそり隠してしまい彼のテープをめぐって事件は思わぬ方向に・・・


この映画は少ない言葉、少ない登場人物なのですが、どの人物もとても魅力的です。


黒人のオペラ歌手シンシア・ホーキンスの歌声はまさに女神そのもの。カタラーニ作の歌劇「ラ・ワリー(La Wally)」、アリア「私は遠くに行きましょう」のドラマチックな歌い上げで始まる冒頭は劇場で見たときに思わず目を閉じて聞きほれてしまいそうなほど良かった。

さらに謎のギリシャ人ゴロディッシュは彼のガールフレンドのベトナム人少女(とても可愛く描かれている)、いつもローラースケートが出来るほどの広い部屋で「波を止めること」を夢見ながらとても大きな【波のジグゾーパズル】を作っている。


パンク風の殺し屋は「俺○○キライだ」と毎回「キライ」だけを連発。他の言葉は?と笑わせてくれる。


主人公が逃走に使うモビレットや録音機械のナグラ、ベトナム少女のスケッチブック小物の見せ方も凄くいい、スタイリッシュでありながらガジェットに満ちた画面は、それまでのフランス映画には無いものだった。少ない言葉でも映像で見せる映画とはこういったものかと感心させられる。


この映画はワンシーン、ワンシーンが上品な風景画をみている気分にさせてくれます。

とくに、主人公ジュールとディーバのパリの明け方に白い傘をさすシーンは綺麗すぎて見とれてしまう。


なかなかDVDが置いてないのが残念ですね。



ディーバ