ずっと前一度ガラの悪い不動産関連会社に少し勤め、あまりのガラの悪さに腹が立ってもうこんなところにはいられないと、帰りかけた時、拉致られそうになった。
社員10人位…社員というより舎弟か?

その時まで僕に丁寧だった奴らが牙を剥いた。

その時なんて呟いたかは忘れたけど、一言二言僕が言ったコトバでヤツらはピクリとも動けなくなった。

なんて言ったんだっけ?…と直前の記憶を辿りながら、コンクリートの土台にくっ付いた道路標識を片手で担いだまま歩いていることに気付いたのは地下道を歩いている時だった。

なあんだ、奴らは僕が言ったことではなくこの標識に怯えていただけだったのか、と思ったら随分ガッカリした。

その辺にさも仕事のフリしてスーツ姿で標識を横たえた僕は雑踏に紛れた。

飛びかかってきたら確かに振り回してしまっていたかも。でも、正当防衛だよな、とか考えつつ。