ウィキペディアより
ギリシャ語では夜空の光の帯を「γαλαξίας(galaxias)」もしくは「kyklos galaktikos」と言う。kyklos galaktikosは「乳の環[5]」という意味。
それにまつわるギリシャ神話を紹介する。
ゼウスは、自分とアルクメネの子のヘラクレスを不死身にするために、女神ヘラの母乳をヘラクレスに飲ませようとしていた。しかし、嫉妬深いヘラはヘラクレスを憎んでいたため母乳を飲ませようとはしなかった。一計を案じたゼウスはヘラに眠り薬を飲ませ、ヘラが眠っているあいだにヘラクレスに母乳を飲ませた。この時、ヘラが目覚め、ヘラクレスが自分の乳を飲んでいることに驚き、払いのけた際にヘラの母乳が流れ出した。これが天のミルクの環になった。

通常の渦巻銀河と同様、銀河系も数多くの恒星や星間ガスなどの天体の集まりで、全質量は太陽の約6,000億 - 3兆倍と見積もられている。そのうち可視光などの電磁波を放出している質量の合計は 1/10 以下で、質量の大部分はダークマターであると考えられている。中心付近には比較的古い恒星からなる密度の高いバルジを持ち、それを取り巻くように若い恒星や星間物質からなる直径約8万 - 10万光年のディスクがある。ディスクの厚さは中心部で約15,000光年、周縁部で約1,000光年で凸レンズ状の形状を持つ。ディスクの中には明るい星や散開星団、散光星雲などが多く見られる渦状腕が存在する。相対的なスケールを考えると、銀河系を直径130kmに縮めた場合、太陽系は約2mmほどの大きさになる。バルジとディスクのさらに外側には約130個の球状星団などからなる直径約25万 - 40万光年の球形のハロが存在する。銀河系の中心は地球から見ていて座の方向に約3万光年離れた所に位置しており、いて座Aという強い電波源がある。いて座Aの中心部(いて座A*)には大質量ブラックホールが存在すると考えられている。
天の川は天の赤道に対してはるか北のカシオペヤ座からはるか南のみなみじゅうじ座まで達している。このことから、地球の赤道面や軌道面である黄道面が銀河面に対して大きく傾いていることが分かる。また、天の川によって天球がほぼ同じ広さの二つの半球に分けられることから、太陽系は銀河面に近い位置にあることが分かる。
銀河系の絶対等級は直接測定することは不可能だが、研究者の間では約-20.5等という値が慣習的に受け入れられている。
発見 [編集]
ハーシェルが恒星の計数観測を元に描いた銀河系
天の川が遠く離れた星々からなっているという説を最初に唱えたのは紀元前400年頃の学者デモクリトスである。その後、1609年にガリレオ・ガリレイが望遠鏡を使って天の川を観測し、天の川が無数の星の集まりであることを確認した。1755年にはイマヌエル・カントが、天の川も太陽系と同様に多くの恒星が重力によって円盤状に回転している天体であるとする説を唱えた。1788年にはウィリアム・ハーシェルが恒星の見かけの明るさを距離に対応づけることで恒星の3次元的な空間分布を求める計数観測を行い、天の川が直径を約6,000光年、厚みを約1,100光年の円盤状の構造であるとし、太陽がそのほぼ中心にあるとした。20世紀にはヤコブス・カプタインやハーロー・シャプレーによってより正確な銀河系の構造が求められ、また21cm線による電波観測によって銀河系が渦巻銀河であることが明らかになった。
詳細は「銀河」を参照
年齢 [編集]
銀河系の年齢は現在、約129億年と見積もられている。
構造 [編集]
銀河系の渦状腕の構造
2005年現在、銀河系はハッブル分類で SBbc に分類される棒渦巻銀河で、総質量は約6000億 - 3兆太陽質量であり[1][2]、約2000億 - 4000億個の恒星が含まれていると考えられている。
銀河系が普通の渦巻銀河でなく棒渦巻銀河であると考えられるようになったのは1980年代になってからである。2005年にスピッツァー宇宙望遠鏡によって行われた観測でもこのモデルは裏付けられており、さらに銀河系の棒構造はそれまで考えられていたよりも大きいことが明らかになっている[3]。
銀河系のディスクは直径約8万 - 10万光年と見積もられている。太陽から銀河中心までの距離は約26,000 - 35,000光年と見積もられている。ディスクは銀河中心では外側に膨らんでいる。
銀河系の中心には非常に大きな質量を持つコンパクトな天体が存在しており、大質量ブラックホールである可能性が高いと考えられている。現在ではほとんどの銀河が中心に大質量ブラックホールを持つと考えられている。
銀河系は多くの銀河の場合と同様に、銀河系内の恒星の軌道速度が中心からの距離によらずほぼ同じ速度となるような質量分布を持っている。中心のバルジや外縁部を除くと、銀河系の恒星の典型的な速度は約210 - 240km/s である[4]。従って、典型的な恒星の軌道周期はその軌道の長さのみに単純に比例する。これは系の中心に質量のほとんどが集中している太陽系のケプラー運動のような、異なる軌道を持つ天体がその軌道に応じて異なる軌道速度を持つ場合とは大きく異なっている。
銀河系の棒構造は約27,000光年の長さを持ち、太陽系と銀河中心を結ぶ直線に対して約44±10度の角度で銀河中心を貫いている。棒構造は主に年齢の古い赤い星からなっている。


チャンドラX線観測衛星による銀河系中心部のX線モザイク画像

2MASSの観測データに基づく銀河系の赤外線画像
ギリシャ語では夜空の光の帯を「γαλαξίας(galaxias)」もしくは「kyklos galaktikos」と言う。kyklos galaktikosは「乳の環[5]」という意味。
それにまつわるギリシャ神話を紹介する。
ゼウスは、自分とアルクメネの子のヘラクレスを不死身にするために、女神ヘラの母乳をヘラクレスに飲ませようとしていた。しかし、嫉妬深いヘラはヘラクレスを憎んでいたため母乳を飲ませようとはしなかった。一計を案じたゼウスはヘラに眠り薬を飲ませ、ヘラが眠っているあいだにヘラクレスに母乳を飲ませた。この時、ヘラが目覚め、ヘラクレスが自分の乳を飲んでいることに驚き、払いのけた際にヘラの母乳が流れ出した。これが天のミルクの環になった。

通常の渦巻銀河と同様、銀河系も数多くの恒星や星間ガスなどの天体の集まりで、全質量は太陽の約6,000億 - 3兆倍と見積もられている。そのうち可視光などの電磁波を放出している質量の合計は 1/10 以下で、質量の大部分はダークマターであると考えられている。中心付近には比較的古い恒星からなる密度の高いバルジを持ち、それを取り巻くように若い恒星や星間物質からなる直径約8万 - 10万光年のディスクがある。ディスクの厚さは中心部で約15,000光年、周縁部で約1,000光年で凸レンズ状の形状を持つ。ディスクの中には明るい星や散開星団、散光星雲などが多く見られる渦状腕が存在する。相対的なスケールを考えると、銀河系を直径130kmに縮めた場合、太陽系は約2mmほどの大きさになる。バルジとディスクのさらに外側には約130個の球状星団などからなる直径約25万 - 40万光年の球形のハロが存在する。銀河系の中心は地球から見ていて座の方向に約3万光年離れた所に位置しており、いて座Aという強い電波源がある。いて座Aの中心部(いて座A*)には大質量ブラックホールが存在すると考えられている。
天の川は天の赤道に対してはるか北のカシオペヤ座からはるか南のみなみじゅうじ座まで達している。このことから、地球の赤道面や軌道面である黄道面が銀河面に対して大きく傾いていることが分かる。また、天の川によって天球がほぼ同じ広さの二つの半球に分けられることから、太陽系は銀河面に近い位置にあることが分かる。
銀河系の絶対等級は直接測定することは不可能だが、研究者の間では約-20.5等という値が慣習的に受け入れられている。
発見 [編集]
ハーシェルが恒星の計数観測を元に描いた銀河系
天の川が遠く離れた星々からなっているという説を最初に唱えたのは紀元前400年頃の学者デモクリトスである。その後、1609年にガリレオ・ガリレイが望遠鏡を使って天の川を観測し、天の川が無数の星の集まりであることを確認した。1755年にはイマヌエル・カントが、天の川も太陽系と同様に多くの恒星が重力によって円盤状に回転している天体であるとする説を唱えた。1788年にはウィリアム・ハーシェルが恒星の見かけの明るさを距離に対応づけることで恒星の3次元的な空間分布を求める計数観測を行い、天の川が直径を約6,000光年、厚みを約1,100光年の円盤状の構造であるとし、太陽がそのほぼ中心にあるとした。20世紀にはヤコブス・カプタインやハーロー・シャプレーによってより正確な銀河系の構造が求められ、また21cm線による電波観測によって銀河系が渦巻銀河であることが明らかになった。
詳細は「銀河」を参照
年齢 [編集]
銀河系の年齢は現在、約129億年と見積もられている。
構造 [編集]
銀河系の渦状腕の構造
2005年現在、銀河系はハッブル分類で SBbc に分類される棒渦巻銀河で、総質量は約6000億 - 3兆太陽質量であり[1][2]、約2000億 - 4000億個の恒星が含まれていると考えられている。
銀河系が普通の渦巻銀河でなく棒渦巻銀河であると考えられるようになったのは1980年代になってからである。2005年にスピッツァー宇宙望遠鏡によって行われた観測でもこのモデルは裏付けられており、さらに銀河系の棒構造はそれまで考えられていたよりも大きいことが明らかになっている[3]。
銀河系のディスクは直径約8万 - 10万光年と見積もられている。太陽から銀河中心までの距離は約26,000 - 35,000光年と見積もられている。ディスクは銀河中心では外側に膨らんでいる。
銀河系の中心には非常に大きな質量を持つコンパクトな天体が存在しており、大質量ブラックホールである可能性が高いと考えられている。現在ではほとんどの銀河が中心に大質量ブラックホールを持つと考えられている。
銀河系は多くの銀河の場合と同様に、銀河系内の恒星の軌道速度が中心からの距離によらずほぼ同じ速度となるような質量分布を持っている。中心のバルジや外縁部を除くと、銀河系の恒星の典型的な速度は約210 - 240km/s である[4]。従って、典型的な恒星の軌道周期はその軌道の長さのみに単純に比例する。これは系の中心に質量のほとんどが集中している太陽系のケプラー運動のような、異なる軌道を持つ天体がその軌道に応じて異なる軌道速度を持つ場合とは大きく異なっている。
銀河系の棒構造は約27,000光年の長さを持ち、太陽系と銀河中心を結ぶ直線に対して約44±10度の角度で銀河中心を貫いている。棒構造は主に年齢の古い赤い星からなっている。


チャンドラX線観測衛星による銀河系中心部のX線モザイク画像

2MASSの観測データに基づく銀河系の赤外線画像