忘れていた記憶・・・いや、思うと悲し過ぎるから逃げていただけなんだけど。。。(-。-;)

ずっと前、とある生徒の指導を人づてに頼まれた。
教える場所は病室だという。
長期入院しているという。
親戚の子が脱腸で手術した日一日だけ入院しなくてはいけなくてたまたま手が空いていた僕は見舞いにいったことがあった。その時長期入院していた子達・・・・川崎病の子や。。。小児がんの子・・・

僕に依頼のあったのは、後者だった。

ものすごく我慢強く、そして生きているというだけで神様に感謝していた子・・・。

点滴の液を吊るしたウタンド?を自分で押しながら現れた子は、ニット帽子をかぶりかなり痩せてしまっていたが、嬉しそうに笑顔を見せた。

何度目かの時、その子の集中力を褒めたら、照れたように・・でも嬉しそうに笑った。

最初会った時以外授業中は真剣そのものでいつもなら笑わせたりしながら進める僕が、この子に引き込まれ秒単位のカウントを聞きながらのようにものずごい速度で教えていた。

この子はちょっと笑った後言った。

「もしかしたらね・・・」

すこし躊躇うかのように黙った後、続けた。

「もしかしてね 一生懸命勉強していたら 神様が『この子の命のロウソク、頑張っているからもう少しだけ足してあげよう』とかいってくれるかもしれないから」

僕は心の中で切なくて泣いた。(でもこの子に涙を見せたら気にするし心配するからダメだ。)

「え~っ??何いってんだよ。絶対良くなるさ。頑張ろう!」

あまり細かいところに気付かない愚鈍なキャラを装い逃げた。 

その子の熱心さはその後も変わらなかった。

でも最後・・・会った瞬間に、誰に何を言われたわけではないけれど、その子の顔をみたときに、(今日が最後かな・・・)と思ってしまった日。
最後の問題で少し苦戦していたけど、僕は助け船を出さなかった。

しばらくその子のペン先と顔を交互に見て、僕が何か言おうとした時、その子が苦しそうにしながらも口を開いた。

「もしもね この一問を解いたら、またパパとママの子に生まれ変わらせてくれるかもしれない。っていうか・・・そう生まれ変わらせて下さい、ってお願いをしたの。これ、ママ達には内緒だよ」

「内緒は約束するけどさ。。。何言ってんだよ。大学合格するまでは僕が教えるっていったじゃん。」

「ごめんね先生 稼がせてあげられなくて」



僕はこの時心に中でもうこの子に一生会えなくてもいいから、僕の命を半分にしてでもいいからこの子の命はまだ持っていかないでくれ、とこの子の「神様」に祈った。